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こらぼでほすと HGP番外編3

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「はい、左足。・・・・なんで、こんなになるまで放っておくんだろーなー。」

「別に支障はない。」

「そうか? 割れるだろ? 」

「勝手になくなるだけだ。」

 それは、割れているというのではないだろうか、と、考えつつ、ぷちんぷちんと爪切りで足の爪を切っていく。切ってから、ちゃんと、やすりまでかける懇切丁寧さだ。

「髪の毛も切っとくか? 」

「ああ。」

 全体的に切り揃えたら、やすりで丸くする。そこまで、やって解放して、今度は、自分の足の爪も切ろうとしたら、刹那が爪きりに手を伸ばした。

「なんだ? 」

「俺がやる。」

「え? いや、自分でやるから。」

「やらせろ。」

「身は切らないでくれな? 」

「当たり前だ。」

 別に、身体が硬くて曲がらないとか、そういう理由で、刹那の足の爪きりをしているわけではない。ほっておくと切らないで割ってしまうのだ。それに気付いたのは、かなり前でパイロットスーツを脱いだ刹那の足が血塗れだった。伸びすぎていた足の爪が、操縦しているうちに割れたらしい。先だけが割れたならよかったのだが、訓練中に余計な力を入れたらしく、半分からざっくり割れてしまっていた。さすがに、ロックオンも引き攣った。それから、定期的に爪の確認をするようになった。

 ついでに、人に触れられるのが嫌いな刹那は、髪も伸ばし放題なので、そちらも定期的に揃えている。ロックオンなら仕方がないと触らせてくれるからだ。

 ぷちんぱちんと、歪な音がしているが、痛みはないから、身は切られていないらしい。見ていると怖くなるから、ごろりと床に寝転がった。しとしとと雨が降っていて、外へは出られない。まあ、そんなだから、身繕いなんてことをやっている。

「ロックオン? 」

「んー? 」

「やすりもするのか? 」

「やってくれ。・・・・てっっ・・・・」

 爪だけでなくて、身まで削るようなやり方をされたらしい。親指の先がひりひりする。不器用ではないのだが、どこか、やり方に問題がある。

「痛いか? 」

「身を削るな。」

 説明すると、ちゃんと、その通りにはしてくれる。髪の毛を切るなら、バスルームかな、と、考えていたら、また、身を削られた。

「おまえなー痛いつってんだろーがっっ。」

 何度もやられて、だんだんと腹立たしくなったので、刹那の胸を、とんっと片足で蹴った。これぐらいの報復はやってもよかろうと思っていたら、ぐいっと、その足を取られて、関節技をかけられた。せっかく、爪切りのために敷いておいた新聞紙が、ぐしゃぐしゃと丸められていく。

「いってぇぇぇーーーーー」

「あんたが先に仕掛けたんだ。」

「俺の身を削ったのは、おまえだっつぅーのっっ。」

 関節技をかけられていないほうで、刹那の鳩尾に一発蹴りを入れて起き上がろうとうつ伏せに身体を捻ったところで、背中に乗っかられた。それを、そのまま起き上がったら、今度は、刹那のほうが、ロックオンの肩に足を乗せて押さえ込んでくる。延々と、そうやって、ふたりして緊迫感のない組み手が続いている。





「まさに、親子猫だな。じゃれまくってるって感じだ。」

「あれ、いつまでやってるんですかね? 」

 のんびりと、それを鑑賞しつつ、悟浄と八戒は、お茶なんか飲んでいる。ディアッカから、ロックオンの状況を報告されて、とりあえず、注意しとこうか、と、やって来たのだ。

「刹那は、構って欲しくなると、あれですよ。」

 アレルヤとティエリアも、いつものことだから気にしていない。無重力だと、もう少し激しいじゃれあいになったりもするが、一応、リハビリ中の人が相手だから、刹那も加減はしている様子だ。

「掃除するより、ああやって、リハビリの手助けしているほうがいいと思いますね。」

「あはははは・・・そうですね。」

 あれなら、神経に堪えることもないし、リハビリになっていいだろう。無理にできないことをやろうとしないほうがいいし、縛ったりして拘束するのもやめてくれ、と、アレルヤとティエリアに説明はした。

「なるほど、承知した。」

 ティエリアは、そう言うと、そのじゃれあいに、いきなり参戦した。刹那を蹴飛ばして、ロックオンの背中にへばりついている。

「え? 」

 驚いたのは、アレルヤだ。あんなことする性格ではないのに、いきなり、ロックオンに抱きついたからだ。もちろん、抱きつかれたほうも、びっくりして、「ティ、ティエリア? 」 と、慌てていたりする。

「これは、俺のだっっ。」

 へばりついたティエリアをベリベリと引き剥がし、今度は刹那がへばりつく。

「プライオリティーはないっっ。」

「うるさい、おまえは、アレルヤにへばりついていろっっ。」

 また、べりべりとティエリアが刹那を、ロックオンの背中から引き剥がす。

「アレルヤっっ、こいつら、やめさせろっっ。」

 背後で暴れている紫子猫と黒子猫に、ロックオンは大笑いしている。ただ、自分の背中なので、自分ではどうしようもない。

「うん、わかった。ティエリア、爪きりしようか? 刹那、髪の毛切って貰うなら、ハサミを借りておいでよ?」

 威嚇するような戦いにはなっていないから、アレルヤものんびりしたものだ。新聞紙を回収して、ロックオンを救助しているが、アレルヤも笑いつつ、「僕も確保。」 と、ロックオンの背中にしがみついたりして遊んでいる。

「なんか微笑ましいな、あれ。」

「わかりやすく仲良しですよねーマイスター組は。」

 悟浄と八戒も、ただ微笑ましいと笑っている梅雨の一日。