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大人ってずるい

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そもそもの始まりは一体なんであったか。
それすらも忘れてしまった。
最初は非日常であったはずなのに
今では当たり前の日常となってしまった

「はぁ・・・。」
竜ヶ峰帝人はいたって普通の高校生だ。
少し頭が良く少し内向的のどこにでもいる高校生。
なのにどうしてこんな事になっているのだ。

「おやおや?帝人君、ため息をつくと幸せ逃げるよ?」

「ため息なんてつかなくてもあなたが僕の幸せを奪ってるんですよ。」

「これは手厳しいな。甘楽しょんぼり」

しょんぼりしたならさっさと帰ってくれないかな、と僕は思う。
臨也さんはいつも当たり前のように僕の部屋にいる

(ちゃんと鍵かけてるはずなんだけど。)

「それより帝人君、俺お腹減ったよ。」

「そうですか、なら自分の家に帰ってください。」

「やだよ、一人の食事なんてまずいじゃん。」

「それなら静雄さんでも呼んでください。」

「それはナンセンスだよ!帝人君!んじゃさっき言ったことはなかった事にしよう。
帝人君と一緒に食べるととってもおいしく感じるんだよ。」

「はぁ。」

いきなりそんな事言われても反応に困る。
適当にあしらってお帰りを願おう。

「はじめに言いますけど、僕簡単な料理しかできませんからね。」

「全然大丈夫だよ!人の手料理食べるの好きなんだよね〜」

なら彼女でも作れば良いのに。
なぜわざわざ僕の家なのか。顔の良い臨也さんなら一人二人ひっかけれるだろうに。

「ごめんね〜帝人君。さっき言った事も無し。」

「は?」

「俺、帝人君の料理だから好きなんだよ。」

臨也さんは笑った。仕事で見せる笑顔じゃなくて(ずるいずるい)
とても穏やかな顔で

「・・・臨也さん。」

「ん?」

「男に二言はないんですよ。」

「それは残念」とまったく残念そうじゃない顔で言った。

(・・・むかつく。)

そう思ったのは臨也さんに向けてなのか
そう言われて真っ赤な顔になっている自分なのか
わからなかった。
作品名:大人ってずるい 作家名:あにゃ