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これから先の未来もずっと【島国】【腐】

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あの星空の下で交わした

君との約束


『これから先の未来もずっと』


年甲斐もなく、この日を楽しみにしていた。
それはきっと私だけだったのでしょう……

―数時間前
腕によりをかけて作ろうと決意して晩御飯の仕込みをしていた私にかかってきた一本の電話。
それは、今日こちらにいらっしゃる予定だった人・アーサーさんからだった。
『悪い菊、急な仕事が入っちまって……』
ショックは受けなかった、と言っては嘘になる
『お気になさらないでください。お仕事ですから』
本当の気持ちが溢れてしまわぬよう…電話越しの彼に伝わらないよう…そう言った
彼はよほど急いでいたのでしょう、その後一言謝り電話を切ってしまわれた


そして今に至る訳ですが。

私はというと、晩御飯の仕込みもそっちのけで縁側でぽちくんと過ごしていましたー…
あの方はお優しいから…きっと来てくださるだろうとは思います…でも早くて明日―…
明日になってしまう……
分かってはいるんです、お仕事なのだからしょうがないと…
けれど、自分が思っていた以上に私は今日という日を楽しみにしていて…
知らずに涙は流れていた
「あ、れ……おかしいですね…」
止まらなくて…涙はただただ流れるばかりで…
「くぅん………」
隣にいるぽちくんが心配そうにこっちを見てます…いけませんね、ぽちくんにまで心配させてしまって
「だい、じょうぶですよ…ぽちくん……」
そう言いながら溢れる涙は止まることを知ら、全く説得力がない
「………やはり、淋しかったのでしょうかね」
自覚してしまうとその想いは形になって零れ落ちて
「…っ…アーサーさん………」
そう呟いたとき、
「菊…………!!!!」
「え…………」
玄関の方からは聞こえるはずのない声、そして
「菊……」
彼は玄関から回ってわたしのいる縁側に
「な、んで!泣いてんだ…!」
「え、あ………」
彼の突然の訪れに、泣いていたことすら忘れていた
「アーサーさん…どうして…」
それは純粋な疑問だった。だって彼は急な仕事が入って…今日は来れないと……
「何とか今日中にこっちに来れるようにって、急いで終わらせてきたんだ…」
嬉しかった…アーサーさんもこの日を大切に思ってらっしゃったと知って…
「なんで泣いてんの、菊…」
アーサーさんがこちらに寄ってきて涙をぬぐってくださって…
「あ、こ れは……」
どうしよう…貴方が居なくて、なんて…
「もしかして 俺が居なくて淋しかった?」
「……!!!!!」
図星で……たぶんわたしの顔はこれまでにないほど赤いのでしょう…
少しニヤついているアーサーさんの顔が癪で…
「ばかですか…!」
そう言ってそっぽを向いた
「拗ねんなよ」
そう言って貴方はわたしを抱きしめた
「ごめんな菊…遅くなっちまった」
その体温にひどく安心している自分がいて
「………来てくださっただけで…今日来てくださっただけで…十分です」
そう言って貴方の背中に手を回す
「ありがとうございます、アーサーさん」

『選んでくれて、ありがとう』

「家、入りましょうか。ここは冷えます」

『認めてくれて、ありがとう』

「晩御飯、肉じゃがでいいですか?」

『今まで一緒にいてくれて、』

『ありがとう』

「あ、アーサーさん

『これからも宜しくお願いしますね?』



―これから先の未来もずっと。