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沁(しみる)
沁(しみる)
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倒(さかさま)の世界で君が笑う

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柄にもなく仰向けに寝転ぶ。息を、す、と吸う。酸素が肺に行き届く、同時にその冷たさに気管が悲鳴をあげる。

静謐な空気とはお世辞にもなかなか言い難いけれど、今晩のそれは真冬ということもあってか心地好く、そして必然的に空模様も鮮やかに見られる。

止めていた息を、ゆっくりと吐いた。
白く風に流れて消える、それ。
眼球を僅かに動かし追えば、にわかに水蒸気となって消える。

幼い子供が流れ星と呼んでいるあれは所詮突き詰めればただの死に行く塵屑なわけで、そんなものに願い事を三度願えば叶うだなんて片腹痛い迷信なわけで。
要するにだ、おまじないとかいった信憑性の低い行為なんて俺には甚だ理解出来ないものであるわけだ。


「バカイト発見。」


眼球を上にずらすと、嗚呼、逆さまになったいつもの声に逆さまになったいつもの顔。


「バカイトって何ですか、バカイトって」


「だって、阿呆面してるから」


「馬鹿っていう人が馬鹿なんじゃないんですか、マスター?」


「うるさいうるさい」


彼女はそこで一度言葉を切る。


「ね、何してたの?…うわあ、星、綺麗」

今のは俺に尋ねてきたのかそれとも独り言に近いものだったのか、俺が口を開くより先にマスターは空を仰ぐ。
その様子を見ていると、本当に彼女は俺よりも年上なのかさえ分からなくなりそうな位にあどけなくて。


「あ、流れ星だ。ねえKAITO、流れ星に三回願い事をすると叶うんだよ」


そんな小学生と大差ないことをちょっと笑いながら言うものだから、
(これだから、この人は)


「そんなもの信じてるなんてマスター、馬鹿ですか」


「あ!今馬鹿って言った?」


「言いましたよー」


「馬鹿って言う人が馬鹿なんだよーだ!」


けらけらと楽しげに笑う彼女、嗚呼、なんで俺はこんなにも彼女のことを好きになってしまったのだろう。
(いつの間に?)




倒の世界で君が笑う
(どうやらこの恋の病は、もうしばらく治りそうもない見込み)