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偶には…とはいえ危うい(理性が)

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タクトの様子が変だ
いや、そこまで可笑しいという訳でもないんだが…

「タクト?」
「んー…」
声をかけると、猫のように擦り寄ってくる
どうした?と聞いても「何でもなーい」の一言
…やはり、変だ

──まあ、可愛いし、嬉しいんだけどな

背中が温かい。そこまでタクトの体温は高くない、むしろ僕の方が熱いんだろうが
普段は滅多に弱さを見せず、甘えてくれないタクト
そんな彼が今日は何故かくっつきたがる

流石に人がいるところでは離れているけど、二人っきりになると離れていた分を取り戻すかのように背に凭れかかってきた
そう───背中に…!

僕としては顔が見たい
頬を染めて、目を伏せる可愛い表情。遠慮がちに手を握ってくるその姿を掻き抱きたい。あわよくば○○して××し(ry…(自主規制入りました)

「…スガタ?」
こてん、と首を傾げ、後ろから窺い見る彼にくらっと
(危ない…思わず喰らいつきそうだった…)
「何?」
「……ううん、何でもない」
不思議そうに瞬きをしたかと思うと頭を振り、再び凭れかかってきた

(くッ、いくらジャガーたちがいるとはいえ、一つ屋根の下、理性を試される…!)
自制心という壁を無意識に壊そうとするタクトに、表面は何事もないよう接しているが内面は沸騰寸前だ
いつ崩れるか……分らない


「ふふ、あったかい」


────ああ、もう本当助けてくれ、ワコ

(いいんじゃない)
遠くで親指を立てる彼女の姿が頭に浮かぶスガタであった




◆ ◇ ◆



「あああ゛…!あんなにくっつくんじゃありませんッ」
──タクト…!!男は狼なんだよ…ッ

べたっと窓に張り付く不審者…いや、紫の物体が
(何故か見つからないという)
「ああ、もう!見ろ、あんなに目をギラつかせているじゃないか、彼は!」
いつもひっそりと張って…あ、見守っているから知っているんだよ、俺は…!彼が可愛いタクトを狙ってる事にッ

ぎりぎりと歯軋りをし、殺気を滾らせ睨む男

(何で見つからないんだろうなあ…)

「…もういい加減にしたらどうだ…?」
「何言ってるかな!?タクトがどうなってもいいって言うんだ、お前は!!」
「そうは言って…」
「言ってる!」
(ああ、面倒臭い…)思わず遠い目になる片目の男
その傍らでは、煩くエンペラーを非難する我がリーダー…もとい親ばか


「…帰っていいだろうか…」
──放っておいて…
風がひゅるりと吹く。哀愁が男の背に漂った



「もういい加減にしなさい。帰るぞ」
「いやだ!って放さないか…!!」
強制執行。悔しそうに声がエコーするのであった…