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ラヴァーズ・ケージ

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※ちょっとえろい?
※ヤンデレ静緒ビッチ




好きで好きでどうしようもない。
姿を浮かべるだけで顔と体が火照って仕方なくて、押さえきれないくらいの欲情が疼くような恋をした。今までそんなのしたことなかったし、相談できるヤツもいなかった。唯一恋人を持ってるやつはいたけれど、それは一般的にではとてもなかったし、相談するのはどうも恥ずかしい。
だけれど、吐露したくてたまらない感情の行き先をどうしていいかわからない。


同じような制服を見かければ必ず彼を探したし、本人を見つければ必ず挨拶をした。無理しないでくださいね、と照れたように笑う年下の少年はひどく愛らしい。女性らしくはないが、性別上女として生まれてきて初めて異性を愛おしく思った瞬間でもあった。



「あれ、静緒さん!」



手を振って、頬を赤く染めた顔でこちらに駆け寄ってくる、帝人という自分が恋い焦がれている少年。異性は嫌な匂いだとばかりに思っていたのに、帝人は違った。さらりとした爽やかな香りのなかに、仄かに香る甘いにおい。
クン、と鼻を動かせば、ほらたまらない。
ずくん、とどこかが疼いた気がする。




「・・・あ、ああ・・・帝人」

「奇遇ですね。お仕事は終わったんですか?」



唾液がたまる。喉が鳴った。だが、帝人は気づいている様子はない。
それに安堵を覚えると同時に、残念だとも思うのはなぜか。
絶対の信頼があるように、帝人は自分の傍にいとも簡単に来ては微笑む。そのなんと欲の疼くことか。愛らしい額を舐めあげれば、この少年は顔をもっと赤くさせてくれるのだろうか。食らいついてくれとばかりにそそる鎖骨を噛めば、帝人は泣いてくれるのだろうか。


「あー・・・ま、今日の分は」

「そうですか・・えっとお疲れ様です」

「ん」


煙草をいつまでも吸っているわけにもいかず、ルージュのついたそれを携帯灰皿にいれる。その様子を帝人がじっと見ているのを感じて、どうしたのだろうと見れば、彼は照れくさそうに頬をかいていた。なんだその仕草は。あり得ないくらいに可愛らしい。正直女性である自分より可愛いというのはなんだろう。
可愛いという言葉。でもそれが変にぴたりと当てはまるし、無意識の仕草は似合っているから問題ないけれど。


「どうした?」

「あ、い、いやすみません」

「・・なんか、あったか」

「えと・・・あ、あっあの、今日友人と話しをしてて。恥ずかしいんですけど、その友人が美人のルージュのついた煙草ってなんかクるよなあとか言ってたの思いだして」

「う、あ」


美人、だと。
照れくさいが、その友人にはありがとうと言っておくべきなのだろうか。こんなにも真っ赤になる帝人が見れたのだから。
けれど、正直自分の前で他の人の話をしてもらいたくはない。
どうせなら自分を見て、自分だけを認識して、自分とだけ会話してほしい。
そんな想いを誤魔化すように、染色した髪を右手で少しだけ押さえた。


「静緒さんは、美人ですよね」


そんなこと言うお前が、私は好きだから、好きだから、愛してるから。
真っ赤な頬を食べたい。その唇ごとお腹の中に収めたい。手と手を取れば、我慢がきかない。短気な自分だからどうも待てない。
抱きしめてしまえば、胸に納まる林檎みたいな帝人。
もうだめ、くう。



「帝人」

「し、静緒さん、ああ、あの、すみませ・・む、胸が・・・っ」



美味そうな唇ひとつ、もらった。予想していたようにそれは甘い。
ぞくぞくと走る快感に求めていたものが確かにこれだったのだと確信する。
まだ、足りない。


「し、静緒さん!?」


舌を絡めて貪れば必死に抵抗して暴れる帝人。でもそれは逆効果だ。
ひょろっこいこいつの力は全然自分には及ばない。
まあ曲がりなりにも自分は女性だが、守って欲しいよりも守りたい気持ちの方が強かったから、男の沽券とかはもうこの際無視して思う存分安心してくれ。


体が暴れる所為で舌は無防備だ。
存分に味わうことにする。
口内を蹂躙すれば、帝人は唇の端から唾液をもらす。どちらかともなく荒くなる息。目の前の、は、は、と荒く息をついて蕩けた目に彼自身も快楽を感じたのだと気づく。充足感からか、歓喜を感じた。


はしたない、と笑えば息も整わない内に帝人がこちらを睨んできた。


「なにをする、んですか、っんむ、は・・・」



全然物足りないから、言葉の途中でまた貪る。


女で良かった、と息を吐く。
雁字搦めにできるから。孕んでしまえば帝人の子が宿るのだから。愛しい人の子供が欲しいのはそう常識外れのことではない。だから必要なことをする。欲しいものは諦められない。全部を捨ててもいいが、帝人だけは譲れない。誰か私を化け物だと言うならば。もう化け物でも良いから、人間ひとり私にくれよ。それぐらい、いいだろう。


帝人さえいれば、誰も望んだりしないから。
そもそも、誰が望むか。


「っあ、ぁは・・」

「ん、ん、・・・みかど、みかど・・」

「し、ず、・・・さ、」


そうだ、攫ってしまおう。
自宅に閉じ込めれば、もっと幸せになれる。帰ったら帝人がいるってことは、帝人に飢えた自分にとってとても素晴らしいこと。


「帝人、愛してる」

「静緒さん、正気に、しず、おさ、」

「っはァ・・・大丈夫、心配すんな。ちゃんと守るから」

「・・・え、あ、・・んん、っ!」


子供が出来たら、どんな名前にしようか。
幸せの痛みを感じる日が待ち遠しい。そっと自分の下腹部を触れば、呼応するかのようにずくりと疼く。楽しみだ。男の子がいい。帝人に似た男の子がいい。
私の幸せの、帝人のために。まず確固とした家が必要だ。帝人が外へ出て行かないように、他に目を移さないように。堅牢が必要だ。





「帝人、私は帝人をあいしてる」




美しい女の形をした欲情の怪物は、堅牢にて今日から愛に耽る。

作品名:ラヴァーズ・ケージ 作家名:高良