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選んでしまった道

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俺がチームを離れて、
結構な月日が過ぎた。



テレビでも放送された雷門対イプシロン戦。


雷門イレブンにとって俺は、
所詮元チームメイト程度なんだろう。
その元チームメイトたちの試合を、
俺はただ無言観ていた。


『俺』が居なくても、雷門は全然変わっていなかった。
むしろ強くなっていた。
あの時、円堂が言うように、
残っていたら、
俺も強くなれたのだろうか。
あいつらを倒す事ができた
という喜びが生まれたのだろうか。


どうしてキャラバンを降りたのだろう。

どうしてあの時円堂は
「俺だって強くない」と、
俺に言ってくれなかったのだろうか。
俺を蔑んでいるつもりなんだろうか。
それとも、言葉が出なかっただけなのか?

だとすれば、何故言葉が出なかったのだろうか。
俺を思って?
俺なんてどうでもいいから?
あまりに近い存在で、周りからいなくなる事を
考えていなかったんだろう。
アイツらしい。
というか、俺は止めて欲しかったのか?


あそこにいたのが円堂じゃなくて、他の人だったら。
そう考えたら、
どんなに俺は円堂が好きか分かった。

この好きは
チームメイトとして?
仲間として?
友達として?
幼馴染として?
大切な人として?



結論は出ないまま、
ただ、強さだけを求めて、
俺はエイリア石の魅力に取りつかれてしまうのはそう遠くない未来でした。
作品名:選んでしまった道 作家名:綾佑