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もしもシリーズ その3

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時は変わって綺羅星十字団のとある場所、カタシロは今はもう無いシルシの事を思い出していた。
レシュバルのスタードライバーだった頃に出会ったツナシ・トキオのことも・・・

その時、なぜか今は無い第一フェーズの力を感じた。見たくないと思い見えなくなった左目に未来なのか過去なのかはわからないが、ある光景がはっきりと見えた。

その直後、カタシロはとある場所に向かって走った。そりゃもう全速力で・・・

「トキオ、早まるなっ!
彼はお前の実の息子だというのに・・・、そんな事はしてはいけない。」

とつぶやきながら走っていった。
この光景を今は亡きタカシロの元婚約者ソラが見たならこうつぶやいただろう・・・。

「無様ね。」

そして、おまけに冷めた目線もついてくるだろう・・・・。




 ところ変わってタクトの方は・・・

スガタとワコは、タクトとヘッドの熱烈な抱きつきを見て固まっていた。
スガタは嫉妬やらなんやらで・・・。
ワコは・・・頭の中での妄想劇で忙しくて目を最大限に開けて、口からは涎をたらして・・・。


ーワコの妄想劇ー
「好きなんです。僕は、あなたの事がずっと昔から・・・。
たとえ僕のことが嫌いでもかまいません。ですが今だけはっ・・。」

ここでタクト熱烈に抱きつく。
そして相手は目を見開きせつなそうな顔をしていき

「僕には君が好きになる価値もない男だ。君は汚れを知らない純白な心の持ち主だ。
そんな君を僕は汚したくない・・・。だが今この胸にタクト、君がいる。
こんな事を願うのは罪だとわかっていても願わくば今この瞬間が永遠に・・・。」

そして二人は少しでもお互いの熱を感じようと唇を・・・・



「だめだよ!!タクト君にはスガタ君がいるのに、そんな浮気はだめぇええええええ!!!!!」

ワコは自分の妄想劇に向かって大声で叫んだ。
その大声にその場にいた全員の気が戻ったが、同時にワコの方に目線がいき

「ワコ、なにを妄想してたんだ(疲れ気味の声で)」

「ワコ、何を勘違いしてるのか分からないけど違うからね!!(慌て気味の声で)」

「皆見の巫女は何かおかしな病気にでもかかっているのかい?(本気で真面目な声で)」

三人同時に言った。

ワコはワコで、自分の妄想劇を声に出して言ってたのに気付いていないのか
「えっ、えっ、なんでわかるの???」
と慌てまくっていた。

(((いや、思いっきり大声で叫んでたから・・・)))と三人同時突っ込みをしたのは言うまでもない。

そして、もう何が何だか分からないゴチャゴチャした状況の中、いち早く正気に戻ってタクトはヘッドの胸の中から抜け出しその場を走って逃げた。

スガタもワコも、タクトが走って逃げるのが見えて急いで後を追った。

後に残されたヘッドは、しばらくその場で何かを考えてタクトにとって死刑先行のごときつぶやきをした。

「銀河美少年が女の子である以上、彼いや彼女は我ら綺羅星十字団の誰かとつきあわせて言うことを聞かせた方が、タウバーンを倒すよりも簡単かも知れないな・・・」

ヘッドの頭の中では、タクトは女の子であるのを隠して戦っているため男性には免疫が無いからその方が簡単という結論にいたっていた。

哀れなタクトの災難はここから本格的にスタートしたのだった・・・・。
作品名:もしもシリーズ その3 作家名:あすか