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昼下がりの昼寝

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ちょっと寝ますね、と言ってパソコンをしていた帝人がお昼寝態勢に入ったのが何十分前の事だったか臨也は覚えていない。
携帯での情報収集に区切りがついたので、ふと帝人の方を見ると、そこには眉間に皺をよせてなんとも苦しそうな表情で寝ている帝人の顔があったのだ。
呻き声は無く、時折指先がぴくっと動いている程度の動きはあるが、静かなものだ。
「帝人くん」
臨也の呼び掛けは通じなかったのか、苦しそうな表情に変化はない。
(…夢見が悪いんだろうな、まぁ俺も帝人くんもまともな生活送ってきた訳じゃないし)
そっと近付き、頭を撫でた。
「、……」
一瞬眉が動いたが、それだけだ。臨也はそのままわしゃわしゃと帝人の短い髪で遊んでいたが、1分もしない内に飽きて横に寝転がってしまう。

年代物のアパートの汚れた天井だ。雨漏りの跡も、汚れを削り取った跡もすっかり見慣れてしまったし、何よりこの部屋の今の主と一緒にいるこの空間に慣れてしまっている。

ふと横を見て、また帝人の寝顔を確認する。
帝人は動かないが、しかし少し眉間の皺を深くした。ので、臨也は指を伸ばし、その辺りをぐりぐりと動かし、強制的に皺を解消させる。
(起きないねぇ)
うーん、と帝人が唸ったのをきっかけに、頬にキスを落とした。
眉間か頬に違和感感じたのか、帝人が逃げようと仰向けに寝返りをうった所に覆い被さり、顔全体にもキスを降らせる、瞼を舐める。
「…ぇ、」
流石に薄目を開けたのを確認し、唇に口付ける。口内を緩やかに弄び、顔を離すと寝ぼけ眼ながらも呆れた顔をしている帝人と目が合った。

「…なにするんですか」
「帝人くんが、可愛くない顔で寝てるから」

そんな理由でにわざわざ人を起こしてにっこり笑う臨也を、帝人はため息で受け流し、「可愛い顔で寝れるよう努力します」と体を臨也とは逆の横向きに寝返らせる。
「よろしくね」
見慣れないものを見るのは好きだけど、俺が絡んでないのにそんな顔をさせるのは嫌なんだ、 小声が帝人に届いたかどうかは臨也には分からなかった。
部屋には近くの路面電車が走る音が響いている。
 
 
作品名:昼下がりの昼寝 作家名:mikagi_r