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ユキナ・リュカ ~この世界~

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ぐるぐると思考がまとまらないでいると、グッと胸倉をつかまれ、そのまま凄い勢いでキスされた。
強引に唇を重ねられたまま、胸倉をつかんでいた手が、ユキナのシャツのボタンに動き、それをはずしていき、はだけさせる。

「はぁ、はぁ・・・」

息がきれたのか、唇を離して呼吸を整えつつ、リュカはユキナの上で俯いた。

「・・・これ以上のこと・・・してないから・・・どうしていいか・・・分かんない・・・。」

そうして、また涙をポタリ、とユキナの肌に落とした。

「泣かないで・・・リュカ・・・。ごめん・・・なんだかよく分からないが・・・きっと俺のせいなんだろうな・・・。・・・ごめん・・・。」
「あ、謝らないで。」

そうして、リュカはギュッとユキナの胸にしがみついてきた。
ユキナはそっとそんなリュカを抱きしめた。
なぜだか分からないが暖かくも痛い何かが胸をよぎる。

「いや・・・ほんと、ごめん・・・。きっと俺が何かを忘れてるような気がする。きっと俺が泣かせた・・・。」
「謝らないで。僕のほうこそ・・・ごめん。でも、このままで、いて欲しいんだ・・・今は・・・。」
「大丈夫。うん、おやすみ・・・リュカ。」


「っでっ」

寝返りをうった拍子にベッドから落ち、頭をうった。

「っつー。なんでこんな広いベッドから落ちてんだ?俺。・・・あれ・・・?」

硬直した。

「な、なんだこれ?なんでリュカさんが・・・?」

見ればリュカが自分のベッドで眠っている。
しかもなんだか服が乱れて・・・?
そして気づいた。
自分がほぼ上半身裸のような状態だと。
ま、まさかまた自分は酒でも飲んでやらかしてしまったのか!?だって記憶が、ない!!
慌ててまわり(ゴミ箱含む)を確認するが、どうもそんな跡は見られない。
ということは、やっては、ない・・・?
「え、まさか据え膳食わずに寝ちゃったとか!?」
大人(18歳)になるまではダメだとキス以上をおあずけくらっているはずだが、なんらかの展開でいい感じになったのに何もせず、自分は寝たというのか!?
一生の不覚だ。いや、とりあえずはもう少し状況確認だ。
速攻でその考えにいたり、ユキナはそっとリュカに近づいた。

「・・・涙のあと・・・?」

怪訝に思いつつ、だがその乱れたシャツが気になり、そっと首元のところを持った。
白い肌がもう少し拝めそうだ・・・
と、その瞬間、パッとリュカの目が開く。美しい瞳が、さっと冷たい色に染まった。

「何をやってるんだ君は・・・!!」
「うわーん、バレちゃったーごめんなさい!!もうちょっとよくリュカさんの肌が拝めるかなぁとか思っちゃったーっ、ごめんなさいーっ。」

だって、あまりにも美味しそうなんだもん、鎖骨が俺を誘ってたんだもん、とわめいているユキナを、リュカはしげしげと見た。

「ユキくん・・・?今・・・なん、て・・・?」
「へ?あ、リュカさんの鎖骨が美味しそうとかって事?だってー俺のリュカさんなんだもんーっ、それくらい思ったって・・・」

リュカは起き上がっていたものの、その場にヘナヘナっとくずれた。

彼だ・・・。
僕を好きになってくれた、僕が好きになった彼が。

「ユ、キくん・・・うわーん、ユキくっううううえーん。」
「え!?ボ、ボロ泣き!?わーん、ごめんなさい、そこまで嫌なんてーっ。もう変な事しませんから、泣かないでー!!」

あたふたと慌てながらも慰めるユキナの胸にリュカは飛び込んだ。
そしてリュカが泣きやむまで、ユキナは軽く混乱しつつリュカの背中をポンポンとあやしながら慰めていた。


「ほんとなんか覚えてないんですよー。とりあえず覚えてるのは、崖に登ってたとこまでで・・・。」
「てゆうかなんでまた久しぶりにあのゲームなんて・・・。」
「え?ああーちょっとね、景品にサングラスが出てたんですよ。最近シュウさんがまた色々思い悩んでるから(まぁほぼ俺のせいでね)、ヒカリ攻撃(ボルガン、ガンテツ、ロンチャンチャンの3人が繰り出す味方にも軽くダメージをあたえてくれるツルツル攻撃)の際に最適なサングラスを彼の前でかけてやろうかと・・・(暗にハゲだと言いたい、いや、まだハゲてはいないが)」
「くだらない・・・」

そんなくだらない理由で、とリュカは脱力した。

「でも、じゃあ、昨日の事は覚えてないよ、ね?」

絶対に覚えていて欲しくない・・・だって無理やり告白した挙句、強姦もどきを自分は行ったのだ。
覚えていられたらもう、自分は生きていけない。
耳を赤くしながら、リュカは聞いた。

「んー。なんかですね、すごく嬉しい気分になったような気がするんですが・・・」
「いい。いいから。そのまま覚えてなくていいから!!」
「でも気になりますよ。なんで俺ほぼ上半身裸なんですか?リュカさんだって服、乱れてるし・・・」
「し、知らない。」
「えー。ねぇ、リュカさん?リュカさぁーん。」

ますます耳を赤くしたリュカは布団の中にもぐった。ユキナはそれを追いかけるようにして問いかける。
顔を近づけてきたユキナが、ふざけた口調から一変、そっと優しく言った。

「ごめんなさい。俺、きっとリュカさんを傷つけましたね・・・。」

いや、ユキナはけっして悪くない。それに間違った事もしていない。

「ううん、全然、大丈夫だから・・・。あとで一緒にナナミちゃんのとこいって、クッキー、もらいに行こう?それからルックやシーナとバカな事、しに行こう。」

そう言ってリュカはニッコリと笑った。

「うん。分かった。・・・ねぇ、リュカさん。」

ん?と顔を向けると、ユキナは布団を引きはがし、リュカの唇に自分の唇を押しあてた。

「ん」

そして軽く離すと、リュカの唇をそっと舌でなぞる。

「ふ・・・」

軽く開いた口に、ユキナの舌が入ってくる。その感覚はとても甘やかだった。
意識がそれに集中しているのを狙ったかのように、ユキナの手が優しくシャツの中の、リュカの脇腹らへんをなでる。

「っ、だ・・・めっ・・・」
「・・・だめ?」

どこか意地悪そうな、からかうような響きの声。
そのまま流されてしまいそうになる気持ちをおしとどめ、リュカは言った。

「・・・だめ。18歳になるまでは、しないって約束・・・。」
「はーい。じゃあ俺、ちょっと顔、洗ってきます。」

ユキナが離れると、リュカは布団をかぶり直し、ドキドキしまくっている心臓をとりあえずなだめようとした。
それにしても嬉しい。
良かった・・・ユキナが・・・もどってきてくれて。
当たり前だった事が当たり前でなくなる恐怖が去り、今度は嬉しさのあまり泣きたくなった。

ちなみにあんなに茫然としていたくせに、「さて、じゃあ俺はちょっくら外の世界を味わう必要があるから。」とほざいた軍主を目の当たりにしたシュウは、一気に色んなものが尽きていっているようであった。