【腐】君だけを見つめる【ヘタリア】
僕はひとりで眺めていたくて、外に出てみた。
本当は君といられたらよかったんだけど…
そんなこと、僕にはできなかった。
僕はただ…
「おい!ロシア!!」
後ろから、そう呼ぶ声が聞こえた。
「何…?」
ぷにっ
振り向きざまに頬を突かれた。
「へっ!ざまぁみろ!」
「何なのかな、君は。すごくムカつくよ」
「ぉおッ!!わ、悪い…」
慄いて後ずさる彼は、そのまま僕の隣に立った。
彼の名は、プロイセン。
すごくムカつくけど、きっと…ずっと…
僕の好きな人。
「なぁ、ロシア!」
「……」
僕はプロイセンを冷たく一瞥し、また前を向く。
「う゛…悪かったって!…―」
相手をする気が無いと悟ってか、プロイセンはその場から立ち去ってしまった。
「おーい!…―」
後ろの方で、また誰かを呼んでいるプロイセンの声がする。
僕が彼を好きだと気付いてから、もう随分経っている。
けど、その事を彼に言う気は無いし、分かってもらおうとも思っていない。
それでも、たまに言ってしまいたくなるんだ。
彼はきっと、独りぼっちだと思っているから…
「それは違うよ」と、言ってあげたくなるんだ。
"僕はずっと、君を好きだよ"
ロシアの国花"ひまわり"
いつでも太陽を追い続けるその花の花言葉は…
『君だけを見つめる』
作品名:【腐】君だけを見つめる【ヘタリア】 作家名:黒雨花