BLUE SKY COMPLEX
(人を斬った。)
(守る為に、殺した )
サディスティック星の王子と言えども所詮人の子ですから、そりゃ並みの情感だってあるわけです。
一番隊の斬り込み隊長だなんて言われても、人を斬るのは悲しいし、重い。
人の命は重い。姉上を失ってから尚。
サドこそ打たれ弱いわけで。
こんな青空の下じゃあ 余計 、
無言で責め立てるお天道様、そんなに俺が悪いのかい?
触るもの皆傷付けるガラスのハートは鋭さの分脆いんだよ。
無慈悲なまでの平等さで俺を弾き出す空の青さ。
思う存分澄み渡りやがって、人の気も知らないで。
男心と秋の空はリンクしない。
こんな最低な気分には燻ってる雨模様のがまだマシだってのに。高く広がる暢気さに腹が立つ。ああ気が滅入る。
血が飛ぶ事なんて夜を忍んでするもんだ。汚ない仕事にはおあつらえ向きだろうに。
真っ昼間に殺しなんてするもんじゃない、本当に。
何が悲しいって、眩しさに光を遮るこの手は人の命を奪うものと一緒だってこと。
「・・・・・いっそ雨でも降っちまえばいいのに」
澄みきった空との対比。
人殺しに成った俺じゃもう、上手く笑うことも出来やしないのに。
アイマスク越しでも眩しい青空なんて、不釣り合い過ぎてだいっきらいなんだよ。
BLUE SKY COMPLEX
(穢れた俺まで照らさないでいいよ。どうか見透かさないで )
作品名:BLUE SKY COMPLEX 作家名:じる