星降る夜は君でいっぱい
気がついたら、なんやふわふわしとって、絵に描いたような雲の上におった。
俺はすぐに、嗚呼、これは夢なんやなぁって思った。
辺りはパステルカラーのピンク色。
ふわふわぽわぽわ……なんや、あったかい。
ポロリ。
1つの星が落ちてきた。
見たことある。義姉さんの子供が好きな、タオル地で出来てるお星さまや。
柔らかくて、触り心地も気持ちええ。
落ちてきた星を拾って、触り心地を楽しみながら、嗚呼、謙也さんや。って思った。
星はあの人の代名詞。
優しくて、カッコ良くて、ヘタレやけど、あったかい。
ホンマにこのお星さまみたいや、なんて。
つい頬が緩んでしまう。
ポロリ、ポロリ。
「あ……」
急に沢山の星が落ちてきた。
ポロリ、ポロリ、
ポロポロポロポロ!
「わわ!」
沢山のお星さま。
黄色、ピンク、水色、沢山の色した、沢山のお星さま。
「拾わな……!」
慌て落ちてきた星を拾い集める。
でも星の方が多くて、気付いたら沢山の星で埋まっていた。
ぱちくりとして、動けない。
ただ、ひとつ思ったこと。
「……謙也さんで、いっぱいや……」
星の降る夜は君でいっぱい
作品名:星降る夜は君でいっぱい 作家名:しおり*