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ハレルヤ

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あたしには、どう足掻いたって叶わない願いというものがある。
おかしいと笑うかい?願いのせいですべてを失ったあたしが、また願いをもつことは。
まあ自分でもおかしいなあとおもうのだけど、それでも、欲深いのが人ってやつだ。しょうがないだろう。
それは大抵、夕暮れだ。ひとりで薄暗い道を歩いてると、どっかから夕飯の匂いがする。あたたかい匂いで、わたしはいやな気持ちになって、足を速める。忘れるようにポケットからチョコレートを出して口に放りこむ。そしたら、もう甘さしか残らない。くちのなかは、べたべたしているけど、それでいい。わたしにはそれで十分なんだ。

それで十分ってもんが、あんたにもあったら、すこしは変わっていたのかな。あんたはほんと、ばかでまっすぐで、そんでとても欲張りなおんなだよ。今更言ったって、しょうがないけど、けど言わずにいられないよ。あたしはあんたが何を求めていて、何を思っていたのか、今思うとすべて知らないけど、それでも、あんたは欲張りだ。だれかのためにだとか、正義だとかを、あんたは少しだけ履き違えてしまってた。考えが間違ってるわけじゃない。けど、根底にあったのは、じぶんの欲だろう?
ああ、ごめん、ちがう。責めたいわけじゃないんだ。いや、ほんとならばかやろーって殴りたいくらいだけど、けど今はそんなことしても、しょうがねえもんな。

なああんたは結局、欲しかっただけなんだろ?じぶんを愛してくれるひとが、じぶんと一緒にいてくれるひとが、じぶんを裏切らないひとが。そのために、ただ、がんばろうとした、だけだもんな。だって神様だっていってたんだよ、人にしてもらいたいと思うことは何でも人にしなさいって。14歳の、おんなのこだもんな。そんな純心なまま、施しなんて、できないよな。だから、あんたはなにも悪くないし、間違ってもいなかったよ。道がたまたまここに続いていただけだ。

もしものことを考えることは、あたしはあんまり好きじゃないから、今目の前にいるあんたに対して、あたしはあたしができることを、考えてるけど、でもな、ちょっとやっぱり、もしもってやつも考えてしまう。
もしもあんたと、違うかたちで出会ってたら、あたしたち、それなりに仲良くなれたとおもうんだよ。お互い意地っ張りでだからさ、ぜったい喧嘩もするだろーけど、でも、あたしはあんたと仲良くなれたとおもうんだ。今のような出会いでも、もう少し時間があったら、変わってたかもしれない。
ああでも、やっぱりきりがなくて、もしもはさみしいから、考えるの、やめるな。

なあさやか。あたしは希望にすがって、馬鹿をみた女だけど、でもまだやっぱり希望をもってしまうんだよ。あんたが目を覚ますことだとか、救える方法を探してるんだよ。なんであんたなんかにって思うけど、まあそれは、あんただからだよな。むずかしいことはわかんない。
けどな、これはただのあたしのエゴだよ。あんたのためにとか、まどかのために、とかじゃ、多分ないんだ。ただ、あたしのためだ。もうね、自分のまわりにいるひとがいなくなるのは、いやなんだよ。近くにいて、救えるかもしれないものを、見過ごしてひとりぼっちになるのは、さみしいんだ。

だからあんたは、なんも思わなくていい。ただ、あたしのエゴのために救われたらいい。
だからさ、気が向いたら、目ぇ覚ましなよ。
そしたらまた、けんかしよう。それでいいんだ、あたしたちは、たぶん。





うす暗い部屋には赤い光がぼんやり浮かぶだけだった。あたしは部屋の隅で、買いだめしてきた食料を食う。手にいれた手段なんて、いまはいい。ただ、食べなければいけない。だれかに気力をわけるってことは、じぶんの体力をけっこう消耗しちまうもんなんだな。知らなかったよ。
やっぱり与えるってことは、簡単じゃないね。口の中で、チョコレートを転がす。甘い。べたべたする。でも、これで十分だ。もう二度と、母親の飯は食べられないけど、でも、飢えないだけ、十分だ。倒れなければ、十分だ。

部屋の真ん中でこんこんと眠る少女は、夢をみてるんだろーか。みてるなら、せめて幸せなもんであってほしい。この子が望んだものを、夢でくらい、叶えてあげてよ、神様。
眠たくなって、目を閉じる。わたしもすこし眠ろうか。誰が消えても、どんな絶望にあっても、それでも地球はきちんと回転を続けていて、いつだって太陽は平等に光を降らす。希望も、そうであったらいいのになあ。
朝は必ずくる。もし、その次の朝は、迎えられなくっても、それでも、いまは眠れるんだ。
すこし、しあわせな夢がみたい。それくらい、罰はあたらないでしょう、ねえ、かみさま。
いまだけ、すこし、やすませてね。
作品名:ハレルヤ 作家名:萩子