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守山 潤也
守山 潤也
novelistID. 24071
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第1話 始まりと告白

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第1話 始まりと告白


「タクト…好きだよ。」
 
「え…?」
 
「今は伝えるだけにする、返事はゆっくり考えて」



あの日からタクトの心ではシンドウ・スガタという存在が前よりいっそう大きくなった。
その後、自室にもどっていろいろ頭の中を整理し、考えた。
(…スガタはどういう意味であんな事言ったんだろ、しかも僕男だし、もしかしたら他に好きな子がいてそのために僕を使って練習??いや、ちがうなぁ…てか、スガタから告白されたら断る女子なんていねーだろうな。アイツ、かなりモテるし。アレはマジなのか?もし、そうだとしたら僕はどうしたらいいんだ?そりゃ、友達としてはすげぇー好きだけど…。……あぁー、もうどうしていいかわかんねぇ!、明日スガタに直接聞こう、うん、それが一番だ)
こうして、頭の中を無理やりスッキリさせ眠りへと落ちていった。

「スガタ、き、今日の放課後空いてる?話があるんだけど…」
スガタをしばらく避けて過ごそうかと考えた。しかし、あの言葉の意味が気になる。気になって仕方がない。だから自分から呼び出し、聞くことにした。いつも道理に話しかけようとしてもやや、緊張して言葉を所々噛んでしまう。
「タクトからくるなんてめずらしいな、うれしいよ。分かった、放課後、聞く」
「お、おう…」
(うれしい?僕に呼び出されることがか?…なんか、余計に分からなくなってきた)
その後の授業はスガタという問題を必死に解くだけだった。いつも、気になる「ガラス越しのキス」は目にも止まらなかった。

放課後、タクトとスガタは誰もいない教室にいた。
「話って?」
スガタから話しを切り出す。
「あ、あぁ…あのさ、昨日の事なんだけど」
「何?」
「あれって、僕のことが好きって事?」
「君以外に誰がいるんだい?」
「僕は男だよ?」
「そんな事、見れば分かるよ。その事を承知で言ったんだけど」
そうだ。これは普通の告白ではない。男同士なのだ。しかし、スガタはそんな事、まったく気にしていない。
「性別なんて関係ない、僕は君が好きなんだ。タクト、君がね…」
「でも、ワコはどうするんだよ?許婚だろ?」
「あぁ、そこは大丈夫。ワコは知っているから、僕がタクトの事、好きなの」
タクトは平然と好きと繰り返すスガタの言葉に顔を赤くする。
すると、スガタがタクトのおでこにそっと手を当てる。
「タクト、顔が真っ赤だぞ。熱でもあるんじゃないか?」
スガタの顔は瞳にドアップで映りこんできた。あまりにも白くその肌は美しい。
女子が見とれるのも無理はない。顔立ちもスタイルもトップレベル。
「……ぇえ!?あぁ!ぜんぜん大丈夫だから、ハハハ…」
あんな近くで見ていてはいつの間にか引き込まれてしまいそうで、そっと目をそらす。
それを見て、スガタは軽く笑った。
「返事はゆっくりでいいよ、まぁ、あんまり遅いと無理やり襲っちゃうかも」
「えぇぇ!!」
笑えない冗談を軽々と言うスガタにタクトは驚きを隠せない。
「僕は、本気で君のことが好きだから」
「う、うん…な、なるべく早くする」
「さぁて、もう遅いし帰るか、もう7時だぞ」
「え!もう、そんな時間?そういやー腹減った」
「うちでご飯食べていけよ、タクトなら大歓迎だ」
一瞬、迷った。でも、スガタと料理を食べたいという気持ちが少しあった。
「…じゃ、お言葉に甘えて」
ーー
スガタから告白されて2週間がたった。
「返事はゆっくりでいい」と言われたタクトだがさすがにこれ以上待たすわけにはいかない。
毎日頭を悩ませていた。もうスガタ以外に考えられなくなっていた。何度も自分に正直になろうとしているのだがそれが簡単にできない。
(…僕にとってスガタはどんな存在?一応、親友だよな。でも、スガタは違う…いや、こんな事考えたところでまた振り出しだ、あの時の気持ちをよく思い出せ……)
スガタがタクトの瞳をじっと見つめる。
吸い込まれそうになっていた。
あんなに近くにスガタが来たことなんかいままでなかったから。
(…僕は、スガタが…好き…なのか??)
やっと、タクトには答えが見えてきた。
最初は驚きしかなかったのに。そんなこと、考えたこともなかった。
(シンドウスガタ、か…まぁ、付き合ってみるのもいいかも。これって新しい僕の挑戦?it'sチャレンジ?)
タクトは明日が少し、楽しみだった。自分の気持ちを伝えたら、どんな顔をするのかが。きっと驚くだろうな、と色々考えながら眠りについた。

放課後、教室
「スガタ…待たせてゴメン、もう決めたから」
「案外、早かったね。もっと悩むかと思った」
スガタは笑みを浮かべながら自分の予想が外れたのを悔やむ。
「何だよそれ、こっちは真剣に頭を悩ませてたのに」
タクトはからかわれたことにムッとする。
「それで、返事は?…決まったんだろ?」
「お、おう」
(おぉぉ!!ヤベェ、本人目の前にするとこんなに緊張するものなのか!?ツナシタクト!しっかりしろ、昨日決めたじゃないか、銀河美少年がここで負けてどうする!?)
緊張をグッと奥に無理やり押さえ込み、言葉を放つ。
「…い、いいよ別に…付き合っても…」
「っ……!」
スガタは意外な結果に驚いてしまう。正直これは夢かも知れないとまで思った。
「ふ、はは!!」
あまりにも真面目に考えていたことがスガタには意外すぎて思わず、笑ってしまった。
「なっ、なんで笑うんだよ」
「いや、悪い悪い、あまりにも真剣だったから。それに僕は君に好きとしか言ってないのに、まさかタクトのほうから付き合おうって言うなんて思わなくてつい」
タクトは何らかの糸が切れ、力尽きその場にしゃがみこんでしまう。
「もう、まじで笑い事じゃ、ねぇぞ?告白の返事の場面は普通もっとシリアスだろう」
しゃがみこんだタクトにスガタはそっと手を差し伸べ、言った。
「好きだよ、タクト」
「そんな、恥ずかしいことさらっと簡単に言うな///]
「好きなんだから仕方がないじゃないか」
「はぁ…」
「タクト」
「なに?」
「人口呼吸はキスのうちに入らないよな?」
「…た、多分」
目の前にそっと差し伸べられていた手を乱暴につかみ、「よいしょっ!」と立ち上がる。
タクトの心にあったもやもやは気づかないうちに消えていた。
「スガタ」
ちゅっ
「…」
「仕返し」
赤い髪の青年は青い髪の青年に自らファーストキスを差し出した。
「仕返しじゃなくて、ごほうびの間違いだろ?」
「ちがう、僕を悩ませた仕返しだ」
「じゃ、僕も」
ちゅっ
「…っ!!」
「僕を待たせた罰だよ」
続く