Let’s play the death game
だけどそれを伝えられない。
理由は簡単だ。
俺と静ちゃんは『殺し合い』する関係なのだから――――
―――――
いつもそうだ。
街で会うと、すぐに『殺し合い』を始める。
そして気が済むまでする。
それが日常。
だけど、俺の思いは増していくばかりだ。
だから今度会ったら、言ってやろう。
好きだと。
――------
「はぁ?頭でも打ったか?臨也君よぉ………」
「本当だよ、静ちゃん、君のことが好きだ」
殺し合いの最中に言ってやった。
やっぱり静ちゃんは信じてくれなかった。
だから俺は行動で示した。
静ちゃんの隙をついて、キスしてやった。
「ん!?………んぅ///ぷはぁ///い、臨也!何しやがる!」
そう言って俺を突き飛ばした。
そのとき、俺は見てしまった。
(なんで顔を赤くするんだ)
(なんで少し震えているんだ)
(なんでそんなに泣きそうな顔をしているんだ)
どうして、どうして、
どうしてそんなにも俺を期待させるんだ
だからつい、言ってしまった。
「な、なんで嫌いな奴にキスされて顔が赤いの?」
苦笑交じりに言った。
静ちゃんはビクッと震え、俺を見た。
「もしかして、ファーストキスだったりして?」
追い打ちをかけた。
だから、だから、
期待させるようなことをしないでくれ
思いが伝わった気になってしまう
俺が泣きそうだった。
「なにしてんの?殺すよ?」
そう言ってナイフを向けた。
もう、いいんだ
この関係を壊したくないんだ
だからあきらめた
これからも俺たちは殺し合いを続けるだろう
だから、どうか
俺を期待させるような目で
俺を見るな
Let’s play the death game――
(さぁ、殺し合いを始めよう――)(君に思いが伝わる前に)
作品名:Let’s play the death game 作家名:ちぇしゃ猫。