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臨帝小ネタ集っぽいの

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早く寝るように言い聞かせて一旦帰宅。そのまま朝が来て夜が来る前に帰宅した帝人君の家に押しかけた。勿論、夜のうちにまた外出するようならついていくつもりだったけれど、彼は客人を家に残したまま出かけるような非常識ではないので、無事に乗り切る。
そして今日。
帝人君が大型トラックと塀に挟まれて潰れるという、悲惨な大事故の映像で目が覚めた午前5時。流石にこれだけ続くと気分も悪いとかそういうレベルじゃない。どれか一つくらい現実になりそうで本気であせってくる。
道には見覚えがあったから、あれは通学の最中か帰宅途中と予測して、とりあえず張り込み開始。通学時は道路には生徒たちが溢れていたので、これは帰りだなと判断して一旦退避、そしてついさっき、帰宅途中の帝人君を無事救出したというわけだ。
「ファミレスのピザって美味しいですかねえ?」
メニューを睨みつけながら言う帝人君に、俺はこれからなんとかして土日の約束を取り付けなきゃいけない。守るには一番近くに居るのがベストだろうから。
「期待しないほうがいいんじゃない?」
「ですよね。じゃあ普通に和風ハンバーグにしようかな」
久々にピザが食べたかったんだけど、と呟く帝人君に、じゃあ泊まりにおいでと誘う。
「明日のお昼にとってあげるよ、ピザ」
「・・・えーと、理由を伺ってもいいですか」
ただでこんな甘い話があるわけない、という目をする彼に、俺はにっこり笑って答える。
「波江が日曜日まで休みなんだ。バイトしない?ちゃんとお給料出すよ。三食昼寝付き」
「・・・ずるいですよ臨也さん。奢ってもらっておいて断れません」
「計算のうちですからー」
っていうか断られたら困る。俺は今後何があろうとも、君以外の誰かに恋愛感情を抱くことはないのだ。何が何でも、どんな手段を使ってでも、守る為に手段を選んで居られない。
「大丈夫、そんな難しいことじゃないから。ただ書類整理してもらったり、番号順番に並べ替えてもらったり、エクセルで表作ってもらったり、資料作ってもらったりするだけ」
「・・・僕で役に立つなら、別に、構いませんけど・・・」
本当にそれだけか?とその目が問う。その妙にカンが鋭いところ、好きだけどね。
「土日で1日1万、計2万でどうかな?」
今月苦しいことを知っている俺は、そうやってえさをぶら下げてあげる。ここまで言われたら、帝人君が飛びつくのはわかっていた。
「い・・・きます」
「何その沈黙」
「臨也さんが言うとちょっと怖いって言うか、なんかさっきから臨也さん、普段と少し違う」
怪訝そうな瞳がまっすぐに見詰めてきて、少しドキッとする。確かに俺は今普段と違う。なんていうか、必死だ。けれどもそれを悟られるほどの失態は犯していないはず、なのだが。
眉根を寄せる帝人君の目を見返して、俺は考えた。
もし彼を失うようなことがあったら、俺は確実に、一生後悔すると。

作品名:臨帝小ネタ集っぽいの 作家名:夏野