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小話・朝

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部屋のクローゼットを開け、身支度をしていると、終電を逃して泊まっていた帝人くんが目を覚ました。
「正臣の夢を見てました」
「へぇ、元気そうだった?」
「ええ」
彼はベッドの上で天井を見つめるばかりで、起きる気はないらしい。
ベッドの側まで歩く。
「会いたいのなら、いつでも情報をあげるよ」
「…いいです。臨也さんに、『情報料はタダでいい』なんて言われたら、傷付きますから」
そっか、と笑ったら、また布団に帰っていってしまった。
同情なんてらしくない事をしたと考えていると、布団の中から「それに、会いたいんじゃないんです」と小さな声が聞こえた。
 
 
好きな時間に起きておいでと声を掛けて、部屋を出る。
帝人くんは聡明な子だから分かっているんだろう。
(あの子は、会いたいんじゃなくて、愛されたいんだろうな)

美味しい朝ご飯でも作ってやろうと思った。帝人くんの好きなものを集めて。
同情されたと盛大に傷付いてくれたらそれでいい。
「らしくないねぇ」
笑っていたら出勤してきた波江が俺を冷ややかすぎる目で見ていたので、今日は休みだと言って帰らせた。
 
作品名:小話・朝 作家名:mikagi_r