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雲月 ルカ
雲月 ルカ
novelistID. 17043
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happy birthday

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「じゃあな、帝人!!興奮して明日寝坊するんじゃねーぞ!!」

「おやすみなさい、帝人君。また明日...」

「おやすみなさい。今日は本当にありがとうね!正臣も園原さんの事しっかり家まで送るんだよ。じゃあ、明日ね」

 そう言って別れ、一人自宅へと続く道を歩きながら、今日の出来事をついつい思い出し、笑ってしまう。

 池袋という町に来て初めての誕生日。今年は親もいないし祝ってくれる人もいないだろうから、16歳の誕生日は贅沢をして、コンビニでロールケーキでも買って自分をお祝いしようかな~と思っていたのだけど、朝早くから正臣と園原さんに電話で呼び出されて、いろいろな所に連れて行ってもらって一日中お祝いしてもらったのだ。

 そしてその途中で、セルティさん・門田さんをはじめとするいつものメンバー・矢霧君と張間さん・そしてまさかの静雄さんと一緒にいたトムさんにまでプレゼントをもらって、今までの人生の中で最高の誕生日となったのだった。

 気が付けば、もうアパートの部屋の前まで来ていた。

(今日は楽しかったなぁ~)

 もう一度今日の出来事を思い出し、笑顔になった瞬間背後から声をかけられた___

「....っ、み、帝人君っ!!!」

「あれ...?臨也さん...?ど、どうしたんですか?!」

(切羽詰まった感じの臨也さん...非日常だ!!!!)

 額に汗をかいて、急いで来たらしい臨也さんに驚きつつも、内心では新しい非日常の訪れに歓喜していた。

「だ、大事な話が合って...部屋にいれてもらってもいいかな?」

「あ...はい。どうぞ」

「ありがとう。邪魔するね」

 息を整えたらしい臨也さんを部屋に導く。すると、もう一度深呼吸し、僕をしっかりと見据えたままその綺麗な口を開いた。

「帝人君!!誕生日おめでとう!!遅くなったけどプレゼント!」

「へ?あ、ありがとうございます。まさかプレゼントもらえるなんて思ってもなかったので、びっくりしちゃいました。...見てもいいですか?」

 どうぞという声をきき、わくわくしながら、貰った紙袋をがさがさと覗き込むと、その中に入っていた物を訝しげに眺める。

(...花?僕が女の子だったら喜ぶ所だけど、男の僕が貰っても...)

 どうしようと悩みつつも、紙袋から花束を取り出す。その瞬間、僕は絶句してしまった。

「....っ、な、な....っ!!!」

「いやぁ~本当は、日付が変わった瞬間にお祝いしようと思ってたんだけど、思った以上に仕事とコレ作るのに手間取っちゃって。間に合わないかと思って必死に走ってきちゃったよ」

 あはは。と笑う臨也さんの声はまったくもって頭に入ってこなかった。

「こ....これ.....」

「うん。帝人君が喜びそうなモノって考えたんだけど、やっぱり苦労生の帝人君にはお金が一番かなって思ってね。でも、記念すべき16歳の誕生日なのに、現金をポンっとやるのはムードがないだろう?だから、16本分全部お金を花におったんだよ!まさに愛のなせる業だよね!!」

 帝人君ら~ぶ!!とか叫んでいる内容なんて気にならない。そんな事より僕の関心はただ一つ。

「な、何してくれてるんですか?!!こ、これ幾ら...こ、こわっ!も、貰えませんこんな大金!!」

「一本につき2枚使ってるから全部で32万かな?そんな大金じゃないでしょ?」

「大金ですよ!!僕の生活費何か月分だと思ってるんですか?!」

 こんな大金をそう思わないなんて、本当に金銭感覚が違いすぎてるとしか言いようがない。
 まぁ、それだけ臨也さんが稼いでいるという証明でもあるんだろうけど...。

「まぁ、まぁ。もう生活費の心配なんてしなくていいんだから、好きな様に使えばいいよ?」

「はい?」

「誕生日おめでとう!!今日という日をどんなに待ちわびたことかっ!!16歳になったことだし、俺と結婚してください!!!」

「はっ?え...っ?ちょ、え、えーーーーーー?!!」

 頭を90度に曲げた臨也さんはいきなり突拍子もない事を告げた。
 幸せに必ずするから!!と言い切るその目は嘘をついてるものではなく、真剣そのもので...

 でも、


 僕は


 僕は


「ぼ、僕は男です!!!こんな非日常ならいりませんっ!!!!!」

 16歳になったところで男である僕が結婚できるわけも、同性と付き合うつもりも一切なく。

 トラウマになるんじゃないかと思うくらい、16歳という誕生日は濃厚な一日として過ぎていった。





あなたの誕生日に素敵な花束と告白を_______


作品名:happy birthday 作家名:雲月 ルカ