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明日は快晴、絶好の〇〇日和!

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天気予報が明日の天候を伝える。それを聞いた臨也は、ちょうどいいと笑みを深め、上機嫌に話し出す。

「明日は出掛けようか、帝人君!もちろん二人きりのデート、邪魔者はなしでさ。何処がいいかなあ。海?でも海の水ってそんなに綺麗じゃないし、クラゲがいたら嫌だからやめておこうか。海がダメ、てなったらやっぱり山かな?登山とかじゃなくてもうちょっとゆったり出来る……車で行ける静かな所がいいなぁ!俺が運転するから、帝人君は……助手席に座って欲しいけど、ずっと君が隣にいるって想像するとドキドキするから、後ろに座ってよ。お弁当も持っていこうか!今回は特別に俺が全部作ってあげる。何がいいかなぁ……あ、君の好物の味噌ダレ焼き鳥も持ってく?でも冷たいままだと微妙かな。あとで何がいいか検索してみるよ」

帝人君も手伝ってよ?と微笑みかけながら、臨也は部屋の中央にあるそれにもたれて座り込み、見慣れた天井を仰ぎ見る。所々に黒ずんだ染みがあるそれは、建物の古さを物語っている。
デートから帰ったら自分のマンションに連れ帰ろう、それがいい。そう考えながら、臨也は話を続ける。

「空気が綺麗で、湖があったら最高だね!車から眺めても、水面に光が反射してさ。近くに寄ればきっと澄んだ青色が見えるんだ。今の季節なら水も冷たくて気持ちいいだろうね……こっそり泳ごうか?大丈夫だよ!静かにしてればバレないさ。水浴びなんて何だかロマンチックだね。泳ぐのが怖かったら俺がしっかり支えてあげるから大丈夫。帝人君が溺れないように、しっかり手を繋いであげる。ふざけて離したりしないから安心してよ。本当に……」

そこで言葉を一旦切り、立ち上がった臨也は嬉しそうに顔を綻ばせながら、さっきまで寄り掛かっていたそれ――大きな冷蔵庫に手を置いた。
業者が使うような横長のそれは、鈍い起動音をさせ、他に何もない室内の中で異質な存在感をかもし出している。

「本当に、想像しただけで楽しそう。楽しみだなぁ、楽しみだなぁ!」

閉ざされた冷蔵庫の扉に手を掛け、ゆっくりと持ち上げる。ひんやりとした空気が中から漏れだす。
開ききった扉をそのままに、冷蔵庫の中に手を差し伸べ呟いた。

「ねえ、帝人君?」

名を呼ばれた少年は子供のように膝を抱え込み、冷たいそこにいた。
いつも臨也を惑わせていた蒼い瞳は閉じられており、白く透き通った肌は病的に見えた。そっと頬に触れると、いつもより遥かに冷たい体温に、自分の熱が彼に奪われていくのを臨也は感じた。

「君がいるソコと、湖の底は……どっちが冷たいんだろうね」

冷蔵庫の中へと身体を折り曲げ冷たい冷気を受けながら、臨也は帝人の頬に唇を落とし、恍惚とした表情を浮かべ、囁いた。


「楽しみだね、帝人君」




【明日は快晴、絶好の〇〇日和!】