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二人なら大丈夫     南涼

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「なぁ韓国からスカウトされた。」
「そうか。」

無関心とか酷いよな。
全く韓国の亜風炉とやらは何故俺達をスカウトしたんだのだろう。
よりによって風介と。
多分エイリア学園の中で一番仲が悪かった。
何もかもが真逆過ぎて話が噛み合わず喧嘩ばかりしている俺達を。
亜風炉は知っていた筈だ。
ザ・カオスで雷門と試合した時は一応協力したが、ダイヤモンドダストとプロミネンスの対立を見ていなかったのか。
それにスカウトするならヒロトをスカウトすればいい。
サッカーなら格段にヒロトの方が上だ。
同じマスターランクとは言えどエイリア石で強化された人間に強化されたヒロトやガイアのチームが強い筈だ。
まぁヒロト以外のガイアのチームメイトには負ける気はしないが。
風介は自分までスカウトされているのをまだ知らないようだ。
そりゃそうだ。
その手紙は二人宛てに届けられてて今さっき俺がポストから取ったのだから。

「あんたもスカウトされてるぜ。」
「…は?」

流石に驚いて雑誌から顔を上げた。
風介は強引に俺の手から手紙を取って読みはじめた。
数秒後読み終わったのか手紙を床に置きはぁと太く長い溜息をついた。
見るからに風介はいらついていた。
多分というか絶対俺と同じチームになるのが嫌なのだろう。
風介は溜息混じりに「円堂守か…。」と呟くと俺を見た。

「貴様は韓国に行くのか?」
「あんたは?」
「行く。」
「マジで…?」

俺は呆気にとられた。
あんた、俺の事大嫌いなのに?
円堂守と戦えるんだったらそんなの関係ないって事ですか。
胸がちくりとした。
そんなに円堂守と戦いたいのかよ。
それ程あんたの中では円堂守が大きいんだな。
何だかむしゃくしゃしたのでサッカーボールを力任せに蹴る。
それは見事に風介の方にいった。
風介は足でそれを止めた。

「痛いな。貴様が私が嫌いなのはよく分かっている。だが貴様も韓国に来るというなら少し我慢してくれ。」

風介は淡々と言葉を並べた。
勿論俺は韓国に行く。
円堂守とまともに戦った事すらない俺にとって絶好のチャンスだったからだ。
円堂守円堂守円堂守…。
俺の中でも円堂守は大きな存在だ。
強い奴とサッカーしたいからだ。
ダイヤモンドダストと引き分け、ガイアを倒した。
風介ももしかしたらそういう風に思っているのかもしれない。
でも風介の中で誰か俺以外の誰かが大きくなっていくのに凄くムカついた。
でも、もしかしたら俺あんたの事嫌いじゃないかもしれない。

「あんたの事嫌いじゃないよ。」

風介を目を見開きそうかとふんわりと微笑んだ。
元々綺麗な顔立ちなのに益々綺麗に見えて思わず顔を背けてしまう。

「韓国…行こう。二人なら、大丈夫だ。」

まさか風介からそんな言葉が出るとは思わなかった。
俺は当たり前だと言ってやった。

二人なら
大丈夫
この先
何があっても
二人一緒だったら
大丈夫
もしも円堂守に負けても
二人なら
また
立ち直れる気がする