監視初期 アクト×アキ
変な女、何にでも一生懸命で、人を信じ易くて、無防備すぎる上に誰に対しても優しい.....
そう、誰に対しても平等に優しい....
あぁ.....またこの感覚だ....イライラする....
ムカつく女。
何でだ.....何でこんなに誰かに対して気持ちがざわめく.......今まで人間に興味も関心も殺すことにさえ何の感情も持たなかった俺が.....
イライラする....
深夜監視部屋で一人窓辺で向かいの部屋の窓を見つめながらアクトは眠れむ夜を過ごしていた。
そもそもの原因は自分がタカマハラから連れ去ってきた女、アキが原因だ。
あいつが昼間楽しそうに客と話している姿を思い出す、俺に向ける笑顔と同じあの愛くるしい笑顔。たしかに見た目は可愛い...でもそれだけじゃなく
何か人に安らぎを与えるような不思議な魅力を持っている。
見た目の美しい女なんて山ほどいるし、所詮女なんて弱い、ただ寝るだけの物、気持ちなんかどうでもいい。そう思っていたはずなのに...
なんで俺はあの女の事になるとこんなに感情がかき乱されるんだ........
今夜はルアの日、カヤナは城に呼ばれてアキは今家で一人、部屋の明かりはもう消えている。
アクトはなぜか立ち上がるとアキの住む家の前に来ていた。カヤナが戻ってきたときの為か....いやそうではなくあの無防備にもほどがあるアキの性格からしてドアの
鍵は開いておりアクトはすんなりと家に入るとそのまま二階へ向かった。
本当にどこまで危機感がないんだ...
アクトはため息をつき、寝台でスヤスヤと眠る少女を見た。
いつも束ねている亜麻色の髪は下ろされ、白い薄い生地の夜着から細い上半身があらわになっている。
たくっ.....風邪引くぞ....
アクトはそっと手を伸ばし布団を掛けなおそうとして手を伸ばしたが、なぜかその手はアキの白い陶器のような顔へと移される。
そっと頬を撫でる...何故だか触れてみたいという衝動にかられ彼女が起きないようにゆっくりと手を滑らしていく。頬から桜色の唇へ、ほっそりとした首から鎖骨へ....
普通起きるだろ.....
心の中でつぶやきながら引き寄せられる衝動とともに今度はベッドへと体を移し彼女の体にまたがるように優しく覆いかぶさる...
たくっ....襲っちまうぞ.........
っとそのとき、
「う.....ん....」
アキが微かに声を発し体をわずかに動かした、がまだ意識は夢の中。
月夜に照らされる彼女がなぜかいつもの明るく元気な姿とは違い艶めかしく妖艶にアクトの瞳に映る。
やばいな......
アクトは何かが切れたように今までの躊躇いが消えそのままアキの首筋あたりに顔をうずめ片方のてで彼女の胸のふくらみと体のラインを弄る。
「ん.....っ......あ....れ.....?......アクト...さん.....?」
さすがのアキもこうも体を撫で回されれば起きないはずもなく。
「アクトさん!え....???な、何???....何してるんですか...!!?」
「黙れ」
アキの目覚めに動じることなくそのまま彼女の体に自分の唇と手を滑らす。
「ちょっ....!!やめて、やめてください!!どうしちゃったんですかアクトさん...!!?」
「うるさい」
アキの抵抗もむなしく片手で彼女の両腕を抑えアキの夜着の中に手を伸ばし体を弄る。
「やめてください...!!よ、酔ってるんですか...?!」
彼女の目が潤み必死に抵抗する、それがアクトをさらに苛立たせ力ずくで彼女の夜着を裂き豊満な胸に食らいつく。
イラつく...なんで俺を拒絶する...?今までどんな女だって向こうから言い寄って来たのに...なんでこいつは...
なんで俺を拒絶するんだ.....!!!!!!!!
「アクトさん..お願い...です...こんなの違う....いつものアクトさんじゃない.....」
彼女の潤んだ瞳と目が合った瞬間...なぜかアクトは自分がむなしく、自分の知らない感情があふれ出す。
こんな顔がみたいんじゃない....傷つけたいんじゃない....ただ自分でも訳が分からないが...俺のものにしておけば何かが安心するような...
そんなおかしな感情が湧いたんだ...きっと間違っているのかもしれないけど、なぜか焦りが止められなかったんだ.....
っと、スッとアクトは体を起こし彼女を自由にすると立ち上がりうつむきながら言った。
「ムカつくんだよ...」
アキはまだ戸惑いながらも体制を整え座った状態でアクトを見つめる。その表情は先ほどまでの怯えていたものとは違い、彼の真意が分からないと
いうような困惑といつもの本当はやさしい彼というアキの中での解釈とが混ざり合ったもの。
そう、今はまだわからない....お互い今はまだ...
「アクトさん...大丈夫ですか...?」
その言葉にアクトは驚く。先ほどまで襲われそうになった立場の人間からは創造出来ないような言葉にアキ自身何故そう発したのかも理由はわからないが、
アクトはこんないつでも自分以外を気に掛けてしまう彼女だから今まで味わったことのない感情が生み出されるのである。
「............変な女」
「...............ごめんなさい」
俺は.....やっぱりまだわかんねぇ...
他人に関心のなかったアクトの心の扉が完全に開かれるのはまだもう少し先の話.....
To be continue...
作品名:監視初期 アクト×アキ 作家名:Lulian