未来の最強ライバル
「オルタ!」
「.....なんだまたお前か」
「.....またあんた...」
天気のよい日中、仕事をして一息つこうとしていたアキの所にオルタが元気良くドアを開ける。そのまま笑顔でアキの傍へ寄ると、角の椅子に座っていたアクトの声に気づき
お互いに眉をひそめた。
「ちょうど休憩しようと思っていたの、オルタも上で何か飲もう。お菓子もあるよ」
「うん!」
嬉しそうにアキの手を握り二人で二階へと上がっていくとオルタはアキには気づかれないようにちらりとアクトへ冷たい視線を向けた。その威圧的な態度にアクトは
舌打ちするも自身も二階へと続いた。
お茶を淹れようと缶をあけると中身がほぼ空の状態に気づきアキは近くの食材店まですぐ戻るとだけ言って走って家を出て行った。
今二階には二人きりの時間を邪魔されて最高に不機嫌なアクトとこいつだけは何か嫌だと感じているオルタの二人きりの長く気まずいムードになっている。
「..........あんた...なんでいつもいつも此処にいるの?」
先に沈黙を破ったのはオルタだった。
「俺はあいつの監視役だ」
当然のように、事実であるがどこか偉そうに話すアクトにオルタは更に嫌そうな顔で..
「...それってストーカーって言うんじゃない?....アキ、あんたの事怖い...」
こいつ.....殺してやろうか...
剣を握りかかるが先日の事実を思い出しアクトは手を止めた。
「あいつは俺のモンだ。俺の好きにしよーが俺の勝手なんだよ。」
勝った。
「..........アキは物じゃない....アキはアキ。俺、アキ好き。アキも俺に優しい。」
イライラする.....
二人のムードは更に険悪になっていき...
「お前、あまり調子に乗るとガキだからって容赦しねーぞ」
「力ずく...?そうやってアキを独占したいの...?」
ムカッ!!!!!
「......言っておくけど、お前でもガキでもない....オルタ。....俺アキの身体全部知ってる......」
プツッ............
アクトの我慢限界レベルが頂点に達し、勢い良く立ち上がると片手でオルタの胸ぐらを掴み上げた。だがオルタは体勢とは逆にアクトに対してバカにしているような目つきだ。
「風呂に入れて貰うなんざお前なんて男として見られてもねーんだよ!!」
アクトは掴みあげている手により力を込め睨み付ける。
「....あと3年で力今のあんたぐらいになる..心はあんたの方が下....」
「!!!!!!!!!!!!」
掴んでいたオルタの衣ごとそのまま思いっきり壁に突き飛ばした。オルタは多少表情を歪めながらアクトを睨み付ける、っと、その時勢い良くドアが開きただいま~っとアキが
戻ってきた。
「ど!どうしたの!!!?」
壁際に投げ飛ばされ座り込んでいるオルタと拳に力いっぱいのアクトが睨み合っている状況にアキは驚くとともに、すぐに倒れているオルタの元へ駆け寄った。
その行動にアクトは更にイラつきオルタはアクトの表情を確かめながら口元が薄く笑う。まるでアキが来るタイミングを分かっていたかのように。
「アクト!!何したの!?なんでオルタをいじめるの!!?」
「アキ!こっちに来い!」
「な、何..言ってるの..?」
「いいから来い!!」
「だってオルタ怪我してる...訳を言ってくれなきゃ嫌...!!」
「アキ...俺..平気」
なんだこの状況は、また俺が悪者か....?
あのガキの態度の変わり様.....気に入らねぇ.........
だぁあもう...!!.......またあーやってアキに触る....!!
...............確かにあいつは只のガキじゃねぇ...
それならそれでもし次にこうなれば、その時は....
斬る。
To be continued....