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デュララに2chがあったら(静臨編)

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 静雄が大人になった頃、臨也はもうこの街にいませんでした。
 臨也は自分の体力の限界がすぐ傍まで来ているのを知ったとき、こっそり静雄の前から姿を消しました。
 静雄の前で弱くもろくなった自分を見せたくなかったのです。
 臨也は静雄の心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。
 臨也がいなくなったのに気づいたとき静雄は悲しみはしませんでしたが、暇になるなと思いました。
 臨也との喧嘩は最高にスリルのある暇つぶしでしたから。
 胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、静雄にはよくはわかりませんでした。
 臨也の願い通り、静雄の心の中で臨也はいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
 そんなある日静雄の前に1人の男が現れました。
 臨也よりのろまで頭も悪い男です。
 喧嘩相手の臨也がいなくなって寂しかった静雄は、今度はこの男を喧嘩相手にしようと考えました。
 そこで静雄は、男を見つけたらいきなりコンビニのゴミ箱を投げつけることにしました。いつも臨也にしていたように。
 静雄は街中をうろうろして、男が自分の視界に入って来るのを待ちました。
 そして思惑通り、男が自分とは反対方向に向かって歩いています。
 静雄はしめしめと思いました。
 いつものように、偶然通りかかったふりをして、問答無用でゴミ箱をぶつけてやる。
 男が面白いように吹っ飛ぶ姿が頭に浮かび愉快です。
 でも、その男は臨也ではありません。
 男はゴミ箱に押しつぶされると、自分で起き上がろうとしませんでした。
 静雄はいつも臨也と喧嘩していたように、倒れた男へ低い声で脅しをかけましたが、臨也より若いはずの男はぴくりとも動きません。
 血まみれの男を眺めながら、静雄はぼんやりした意識の中で、本当は普通の人間が自分と喧嘩して勝てるわけがないことと、いつも臨也は静雄と「喧嘩する」ふりをして、決して静雄を化け物にしないようにしていたことを、そのとき始めて知ったのです。
 臨也の大きな嘘と優しさに気づいたのです。
 そして臨也がいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました。
 かけがえのない大切な人を無くした悲しみでした。
 静雄が警察から解放された時、いつのまにかこの街に舞い戻っていた臨也が、不適な微笑みで静雄を待っていました。
「また喧嘩できるね」
「臨むところだ、今度こそ殺してやるよ」