―― 生 き て ――。
ごめんなさい
ごめんなさい
――― 生 き て ―――
「ぇ?」
「帝人・・・??」
なんで・・なんでだ?
なんで帝人が血で染まって
タオレテル??
帝人からいきなり電話があった。
そので言われたことは、とても妙なものだった
『ごめんなさい。ごめんなさい。まさおみ・・。』
『・・ッ生きて・・ッッ!!!!』
――プツン。
「・・は?」
帝人の電話からは、以上でないフインキがあった
必死に考えたが、思い当たる節はなに1つない。
でも、1つだけ知れるところが思い浮かんだ。
頼みたくなんか、これっぽちもない。
しかし、コレしか方法はなかったから・・・。
正臣は臨也を訪ねた・・。
「臨也さんッ!!」
「おや?正臣君じゃないか。」
「帝人君といい。今日は騒々しいなぁ」
「ッ!帝人も来たんですか!?帝人はどこなんですか!!!」
「おっと、どうしたんだい?正臣君。」
「帝人はどこだッ!!!」
「さぁ?それは本人に聞いたらいいだろう?」
「本人に聞けないから嫌々ここに来てるんだろう!!」
「嫌々、ね。」
「もぅ臨也さんしか頼む人いないんだよッ!!」
「金はいくらでも出すッ!借金してでも返すからッ!!」
「だからッ!!!」
「分かった。分かったから落ち着きなって。」
「~ッ」
一旦正臣を落ち着かせ、臨也は話し出す
「帝人君のことが知りたいんだろう?」
「だからさっきからいってるだろ!早くッ!早く帝人の場所をッ!!」
「はぁ・・。仕方ないな。じゃぁ後でちゃんとお金払ってよ」
「あぁ。」
正臣は走る
まるで嫌な想像を振り払うかのように
臨也から聞いた、情報を元に・・
“帝人君はね、とある廃工場のところで誰かと会うみたいだよ”
正臣は不安が消えなかった。
誰かとは誰なのかも気になったが、1番気になるのは臨也の最後の言葉だった・・。
“あぁ、最後に忠告してあげるよ。”
“行かないほうが、いいと思うけど?”
なんだよそれッ!!!
まるで、まるでお前(臨也)が裏で全部操ってるいいかたじゃねぇか!!
そしてもう1つ、嫌な想像が浮かんだ
もしかして、帝人はコロサレルのではないのか・・と。
嫌だ・・嫌だ嫌だ嫌だッッ!!!!!!!
やっと再会したんだッ!!
そう簡単に失うものか!!!
正臣は
走る
走る
は
し
る
「ッはぁ、はぁ」
とある廃工場前
正臣は立っていた。
その、
“物音1つない”
廃工場のまえで――。
・・・・おかしい
普通は誰かとあっていたのなら話し声の1つや2つは聞えても可笑しくは・・ない
しかし、それすらもないこの場所は、
正臣の不安を巨大化させた
「まさか・・・な・・。」
不安を胸に、それを打ち消すように
冷や汗をたっぷりかいた手で、廃工場のドアのとってを握り、
いっきに開けた―――――
「・・・・・・・は?」
正臣のでも分かるほどに間抜けな声がでた
それもそのはずのだろう
とても、信じがたい光景だった
今、目の前で真っ赤に染まり倒れているのは
紛れもない・・
紀田正臣の古くからの親友
〟竜ヶ峰帝人”だった・・・・・。
「ぉい・・帝人・・?」
「・・・」
「帝人ッ!!!」
何度ゆすってもなんど名前を呼んでも
その口が開かれることは、もぅ・・・
「~ッッ!!!!」
彼は泣いた。
もぅ2度と聞けない彼を抱きしめながら
彼は叫んだ。
もぅ2度と起きない彼の名を呼びながら
彼は―――――
「ゴメン。帝人」
そばにあった鉄の棒を取り
「俺、お前との約束・・・・・・」
頭上でかざして
“守れそうにないや”
一気に振りおろした
ヒュン!!
乾いた風を切る音が響いた。
その次に
日常では聞くはずがない
否、聞きたくもない何かを潰すような・・
なにかを思いっきり打ち付けるような音が響いた。
それに続いて
正臣は、帝人の横に倒れた・・。
「守れなくて・・・ごめんな」
「でも、これからはずっと・・・・一緒だから・・。」
苦笑をし、それでも嬉しそうに
帝人の手を取って
涙を流して、目を、瞑った――――。
『えー、こちらとある廃工場前』
『2人の高校生と思われる少年らが、血を流し倒れているところが見つかりました。』
『1人は、高校2年生の竜ヶ峰帝人君。1人は同じ学年の紀田正臣君と思われる少年です。』
『竜ヶ峰君は数ヶ所に打撲や擦り傷があり、紀田君は頭を割る勢いで鉄パイプで自分でたたいたと思われます。』
『これは、集団暴力とわかって、捜査を続けて―――――』
臨也はつぶやく
「だからいったじゃないか。」
「行かないほうが、いいんじゃないか・・・って」
臨也は笑う。
まるで帝人と正臣が一緒に死んだところを愛しむように
「これだから、情報屋はやめられないよ・・。」
ピン!
カンカンカン・・・
チェスの盤からは、2つの駒が
はじき出された・・・・
「GAME OVER」
+END+
作品名:―― 生 き て ――。 作家名:紅月