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不変的ななにか、あるいは不屈

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・仁王雅治と誰か
ビー玉が好きだった。理由は特にない。え?理由を挙げろ?そうじゃな…どこが表でどこが裏か分からない所か?質問したくせに返答を寄越さないとはずるいの~まあ俺はそういう所もおまんの好きな部分、とビー玉を覗きながら言えば顔を赤らめると予想する鏡前の夜明け。

・財前光と誰か
寂しくなんてない、と呟いていたのはある種のおまじないだったのかもしれない、と財前は思った。寂しくない訳なんてなくて、眠気が来た時のように目蓋は重く、からしでも塗られたかのように涙は止まらない。「行かないで下さい」と言えない自分の賢さにまた泣いた。

・白石蔵ノ介と忍足謙也
卒業式の帰りは賑やかなお祭りの後のようで、日常に戻った俺を迎えるのはいつもと同じ静寂の住宅街。そこに踏み出すのが怖くて俺は手を振り続けていた。「白石が高校生活楽しめますように!」「…アホ言うな」謙也が叫んで桜が舞って春が来た。俺と謙也を離す春が。

手塚国光と不二周助
アイシテル、なんて台詞は少女漫画でしか聞けない言葉だと思っていた。それを確かに聞いた。でも僕には伝わらなかった。僕は下を向く。「どうした」「涙が出るんだ、どうして」「好きだ、の方がよかったか」そう言う事じゃない! 午後5時の鐘が遠くに聞こえる。

・不二周助と手塚国光
君が煽るのがいけないんだよ?と叫んでみて、そして囁いてみる。手塚は心ここにここにあらず、といった様で返事をくれない。湿った服に汗ばむ肌、全裸の男二人、午後6時ジャストを報せる学校の鐘、馬鹿みたいに心臓が波打ってるのを僕は聴かない。

・観月はじめと木更津淳
僕の主従心を当の本人より強く信じている先輩がいる。「貴方をどんな色にも染まれる、君をスカウトさせる為に僕にこういった過ちを犯させたのかもしれない。」…単に僕を兄と間違えただけの言い草にすぎない、と僕はつよく信じている。果たして正解は?

柳生比呂士と真田弦一郎
・彼は身動きを止めた。否止めざる終えなかったかのように。まあ私の足で踏み留めていてもさして重みを持っているわけでもなし、「貴方が悪いのです」と一瞥するが跳ね返りはない。真田くん、と私はこの世で一番優しく名前を呼ぶ。彼は不思議と私の事を仁王、と呼ぶのです。