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ゆめのなかだけでもあまいひとときを…

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「何が欲しい?」

突然言われた思いがけない言葉。
「え?」
「いや、お前今日誕生日だろ。何か買おうと思ったんだけどよぉ
 プレゼントとかしたことねぇし…何が欲しいかわかんなくて。」
少し赤くなった顔を見られまいとそっぽ向きながら言う静雄。

言われた臨也は少し考え、
「じゃぁここ座って。」
と指さしたのは、臨也の部屋の中に溶け込む黒い3人掛けの革製のソファー。
「?」
頭にクエスチョンを浮かべながらも素直にソファーに腰掛ける静雄。
「あ、そうじゃなく横向きで座って。」
「…こうか?」
ソファに足を乗っけて横向きに座る。
すると後ろに同じように座った臨也にグイッと引っ張られた。
臨也は、本来なら手をかけるはずの場所を背もたれ代わりにし、静雄を後ろから抱きしめる。
静雄は臨也の胸に頭を預ける形になった。
「おい?」
「ねぇ、このままDVDとか見ようか!」
にっこりと微笑みながら、言葉と同時に手をリモコンへと伸ばした。
しかしリモコンへ届く前にその手がつかまれる。
「どうしたの、シズちゃん?嫌?」
「DVD見んのは嫌じゃねぇよ。ただ…誕生日プレゼント…何がいいかまだ聞いてねぇ。」
「これ。」
「は?」
「今の状況が俺にとっては最高のプレゼントなんだよ。」
金髪のふわふわな頭にキスをしながら臨也が答える。
「何言って…」
仰け反りながら本当に満足そうに笑う臨也の顔を見て、言いかけた言葉を飲み込んだ。

「…わかったよ。臨也、誕生日おめでとう。」
そう言うと臨也の頭を引き寄せ、軽く唇にキスをした。





ジリリリリリリリリリリッ

「んー。」
もそもそと布団から伸ばした手が右へ左へと音の主を探す。
カチッと、やっと目覚ましを止めるとムクリと起きあがり伸びをした。

「んー…覚えてないけど、なんか今日はいい夢見たなぁ。」
延びをしながら臨也はそんなことを考えていた。

しかし次の瞬間、玄関のほうから何かが壊される音とともに聞きなれた声がした。
「いーざーやーくーんーよおおおおおおおおお」

「うわぁ、朝から元気だなぁシズちゃんは。」
まったく、と呟きながら玄関へと向かう。


その口元に本人も気づかない笑みを浮かべながら…。














臨也、HappyBirthDay!