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いちごみるく

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「甘、」


驚くほど近くにあった青峰君の顔が離れていく。
それと同時に唇にあった感触も消えて。
あぁ、今ボクキスされたんだ、と認識するのに10秒かかった。
ボクも、多分青峰君も、男が好きなわけじゃない。
よって、付き合ってるわけでもない。
じゃあ何でキスしてるんだ、と言われたら、そんなの僕だって知りたい。
気持ち悪い、とは不思議と思わない。
それどころか、腹減った、なんて普段の調子で呟く彼を見てると、そんな大した事でもないか、なんて(何か間違ってるような気がしなくもないんだけれど)。
そういえば僕、今のがファーストキスだったんだなぁ。
女子じゃないから、ぎゃーぎゃー騒ぐ気もないけど。

青峰君の口から、がり、という音。
そのときに、初めて僕は、今までなめていた飴が口から消えているのに気付いた。




口の中が、甘い。




end
作品名:いちごみるく 作家名:もこ