路地裏
帝人と喧嘩をした。
理由はささいなことだった。なのに俺はついカッとなって、帝人を置いてきてしまった。泣いてないだろうか、不良に絡まれていないだろうかと不安ばかりが、頭にうかんでしまい、俺は戻って謝ることにした。
「あれ、おかしいな」
帝人がいない。俺が知っているあいつの性格からするとこういう時は動かないはずなんだか、急いであたりを探し回る。そして、一つの路地裏で不良3人に絡まれている帝人を見つける。
「あのっやめてくださいっ」
「姉ちゃん、おとなしくしといた方が身のためだよ~」
「なーにやってんのかな、お前らは」
俺はそういいながら、そのうちの1人を殴る。簡単に吹っ飛んだ。
「あ~あ、あんましさぁ暴力とか、降りたくないんだよね、俺は」
「チッ、オ、オイッ逃げるぞ」
「逃げるんなら最初からやるなよなぁー」
ため息をつきながら、帝人を見ると少し涙目になっていて、しゃがんでいるので、上目遣いになっている。不覚にもキュンときてしまい、キスをする。
「んっふぁあっふぅんぅ~」
息が苦しくなったのか、俺を叩いて来る。だが、俺はそんなことお構いなしに隙間をふさぐ様に舌を入れる。
「ふぁんっ~ま、さおみ」
唇を離してやると帝人がとろんとした目で、見てくる。
「いきなり、何すんのさ、バカ臣」
「ん~帝人補給?」
「ねぇ正臣バカなの?ねぇ?」
「ばかじゃねぇよ~愛情表現だ」
はぁとため息を疲れてしまう。そんなところも可愛いのだから反則だろうと思ってしまう。頭を撫でてやると、顔を真っ赤にしてくる。
「じゃあ、帰るか、帝人!」
そう言うと、嬉しそうに返事をした。
「うん!」
そして、俺たちは手をつないで帰った。