茜色の空
突然休暇を言い渡され、どうやってその暇を潰そうかと考えあぐねる。
すぐに思いつくのはシャムロックの所に行こうという案であったが、戦火で失った家の代わりに新しく移り住んだ家の片付けの手伝いはもう済んでしまった。理由もなく、その上こう度々会いに行くのも迷惑がかかるだろう。
毎日リハビリのために通院しているし、よく・・・あの親子にも会いに行っているらしい。
シャンデリア攻略の際に貴重な情報をもたらしてくれた、メリッサとマティルダ親子だ。彼女らも先のエストバキア侵攻の際に空軍パイロットだった夫を亡くし、2人で強く逞しく生きているとシャムロックから伝え聞いていたタリズマンは、それならば尚更邪魔するのは良くない事だろうと晴れ渡る空を見上げた。
そして思う。
英雄だの何だのとあちらこちらで持て囃されてはいるが、それも時間が経てば消えゆくもの。皆新しい時間に生きようとしている。シャムロックもだ。戦争はもう終わったのだから。
「・・・・・・」
青い空に手を伸ばしてそれを掴もうとしても何の手応えもないその感覚に、タリズマンは目を細めた。
すぐに思いつくのはシャムロックの所に行こうという案であったが、戦火で失った家の代わりに新しく移り住んだ家の片付けの手伝いはもう済んでしまった。理由もなく、その上こう度々会いに行くのも迷惑がかかるだろう。
毎日リハビリのために通院しているし、よく・・・あの親子にも会いに行っているらしい。
シャンデリア攻略の際に貴重な情報をもたらしてくれた、メリッサとマティルダ親子だ。彼女らも先のエストバキア侵攻の際に空軍パイロットだった夫を亡くし、2人で強く逞しく生きているとシャムロックから伝え聞いていたタリズマンは、それならば尚更邪魔するのは良くない事だろうと晴れ渡る空を見上げた。
そして思う。
英雄だの何だのとあちらこちらで持て囃されてはいるが、それも時間が経てば消えゆくもの。皆新しい時間に生きようとしている。シャムロックもだ。戦争はもう終わったのだから。
「・・・・・・」
青い空に手を伸ばしてそれを掴もうとしても何の手応えもないその感覚に、タリズマンは目を細めた。