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SLAMDUNK 7×14 作品

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その思考回路は理解できないと、ひとしきり笑った。
そんなのお互い様じゃねーか。俺だってオマエのことは分からない。
笑いすぎて乱れた息を整えながら、宮城はもう一度手を差し出した。
真剣な瞳は、まっすぐに俺だけを映している。
オレンジを背景に、陰を纏って大人びた表情で。


「全国に連れてってやるよ、三井サン」


そのときの宮城を、一生忘れることはないだろうと、唐突に思った。
宮城の右手は、全国制覇を夢見る舞台へと俺を引っ張りあげてくれた。
足踏みしてたままの俺の背中を押して、当事者でありながらも受け入れてくれた。
差し出された手に触れる。
その熱が、コイツの情熱の源なんだと感じた。

ゆっくりと力を込めて握る。
まだ素直に詫びることはできないけれど。この場で言えなければ、謝罪の言葉はこのさき到底口に出す機会は無いだろうと分かっているけれど。
俺は宮城を見た。
宮城も俺を見ている。
コート上での一体感みたいなものが二人を包む。
俺は笑った。
「バーカ。この俺がてめーらを全国に連れて行ってやるんだよ」
宮城は目を細めて微笑んだ。
「そうこなくっちゃ。期待してマスよ、三井センパイ」
自然に手はほどけた。
明日から、もっと気合を入れないと。予選はすぐに始まってしまう。
病院に行って、もう一度ちゃんと膝を診てもらおう。
不意に顔を上げた宮城は、この空はさ、と言う。
「そら?」
「…やっぱいーや」
肩をすくめると、そのまま扉に向かって歩き出した。
この空は。
「続いてるさ、広島まで」
勢いよく振り返った宮城は驚いた顔をしている。
「なんならその向こうまで」
挑戦的に笑うと、アイツも不敵に言った。
「アンタとなら行けそうな気がするよ」
奇遇だな。俺もそんな気がしてた。





―――5月の空はすっきりと晴れていて。
俺たちのスタートとしては、なかなか良い日だと、二人して思った。








作品名:SLAMDUNK 7×14 作品 作家名:鎖霧