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娘娘カーニバル 第2章(1)

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桃花村の義勇軍たちが滞在している屋敷の庭から威勢の良い声が響く。
「はあぁぁ!」
金色の剣を振りかざすのは小柄な少女だ。
金色の瞳を輝かせ、はね気味の黒髪を一つにまとめ結い上げている。
少女は青いワンピースの裾を翻し、打ちかかっていく。
思い一撃を受け止め、女性が楽しげに笑った。
長い茶髪を一つにまとめ上げ赤みの帯びた瞳は楽しげな女性だ。
「っつう、やるな!海!」
十文字槍「銀閃」を大きく振るい、馬超は打ちかかってきた相手、劉備ガンダムを払いのける。
しかし、馬超の動きを予想していたかのように劉備ガンダムこと海は後ろへ飛びのき一気に間合いを詰めた。驚愕に反応が遅れた馬超の得物を龍帝剣で弾き飛ばす。
宙を舞う得物を目で追っていた馬超の眼前に金色の剣先が向けられた。
「俺の勝ちだな」
額の汗も拭わずに人好きのする笑みを浮かべる海に馬超は降参を表す。
「参った、あたしの負けだ」
馬超は胸を上下させ、悔しげに苦虫を噛み潰す。
一方の海は汗こそかいているが、息は整い疲れをあまり感じさせない。
それが一層悔しくなり馬超は仰向けに寝転んだ。
「だあー!海に勝てねえ!」
「次は鈴鈴が相手になるのだ!」
赤みの強い桃色の短い髪、声の通り元気の良い少女こと張飛は勢いよく立ち上がる。
「鈴鈴ちゃん、これに負けたら連敗記録が10を超えますよー」
淡い金髪の帽子をかぶった少女、孔明が張飛へと励ましの声援を送った。
朱里の連敗という言葉を聞き、張飛が鼻息荒く海に蛇矛「丈八蛇矛」を向けた。
「今日こそは海から勝利を胸から揉み取るのだ!」
「いや、それを言うなら『勝利をもぎ取る』だろ。どうやって胸から揉んで取るんだよ」
苦笑しながらつっこみを入れる海だが、朱里は違った。
顔を真っ赤にさせてしまう。
「あわわ、鈴鈴ちゃん!そ、そんな胸を揉むとか昼間から言うなんて…」
「朱里はどうして赤くなってるんだ?」
「さあ、分からないのだ?それよりも早く勝負を始めるのだ!」
「よぅし、来い!馬超、ここで寝てたら危ないぞ」
「わかってるって。二人とも頑張れよ」
そそくさと端へ移動すると愛紗が片手を上げてきた。
相も変わらず美しい黒髪を垂らす愛紗に馬超も答えて同じように手を上げ、隣へと腰を下ろす。
愛紗の視線の先には別の組が戦いを続けている。
「さて、どう勝ってやるか」
水色の髪に、白い服に身を包んだ女性が不敵に笑う。
「星、勝負はまだ終わっていませんよ」
真面目そうな胡桃色の髪を背中に流す女性が若草の瞳をすっと細めた。
瞬時に間合いを一気に詰め、激しい打ち合いが始まる。
「海も青嵐もすっかり馴染んだようだな」
「魏延とのことは心配だったけど、大丈夫そうだしな」
超雲ガンダムこと青嵐と魏延は初めこそは険悪としか言いようがなかったが、
時折やって来る山賊を退治したりするうちに仲間意識を持つようになったらしい。
いまではすっかり打ち解けている。
元来、海は明るく人を引き付ける魅力があるし、青嵐は真面目でさわやかな人物だ。
村の皆にも受け入れられるのは早かった。
短い期間のうちに背中を預けられる存在となった海の楽しげに打ち合おう姿に馬超は目を細めた。
あれが三璃紗という世界では男だったのだからさぞモテタだろうと星が言っていた。
しかし、本人たちに尋ねれば戦いに明け暮れていたためそんなことはなかったと
笑いながら返されたことは記憶に新しい。
「なあ、愛紗。あいつらの世界ってあたしたちが考えるより大変だったのかもな」
急に振られた話題に愛紗は馬超の顔を覗きこむ。
虚ろ気に海の楽しげな姿を目で追う馬超は慣れないことで頭を使っているらしい。
「そうかもしれないが、楽しいことも多かったのだろう。
 ここでちゃんと笑えているということはあちらの世界でも笑えていたからだと私は思うぞ」
「そうか?」
「そうだとも。それに、海や青嵐が仲間の話をする時は楽しそうではないか」
「まあな…」
あちらの張飛や関羽、孫権、村人たちの話題が上がる度に海や青嵐は心底楽しそうに笑うのだ。
二人の笑顔に偽りはない。
らしくなく沈んでいた思考を振りほどくように馬超は頭を振った。
「あー、さっきのあたしはあたしらしくなかったな」
「私は翠も二人のことを考えていてくれて嬉しいと思ったぞ」
愛紗の言葉が終わると同時に青嵐と張飛の得物が叩き落される。
「参りました」
「私の勝ちのようだな、青嵐」
「俺の勝ちだ、鈴鈴!」
「う〜、参ったのだ……と見せかけて、うりゃ!なのだ!」
二人が見ている目の前で降参した鈴鈴が海に足払いをかけた。
油断していたのか、海は呆気なく尻もちをついてしまう。
すぐさま、こけた海の上に鈴鈴が飛び乗り体をくすぐり始めた。
「あははははは!張飛、くすぐったいって!」
「10回も連勝する海が悪いのだ!」
「これ、鈴鈴!負け惜しみはやめないか」
愛紗は急いで駆け寄り、張飛の額を軽く小突く。
痛いと言いながらも張飛は楽しそうに笑い声を上げ続けていた。
海も隣で張飛の髪をくしゃくしゃにして笑う。
二人の趙雲は傍観に徹していたが、星はにやりと笑った。
「私たちも、あれをやってみるか?」
「いや、遠慮しておきます」
短い付き合いのうち、星という人物がどのようなものか分かってきた青嵐は丁重に断った。
しかし、それで引き下がる星ではない。
「そう言うな!」
言うないなや、星は青嵐を後ろから抱きしめる。そして胸へと手を伸ばした。
「うぎゃ!」
「色気のない悲鳴だぞ」
「私は男なのですから、当たり前です!」
幾多の死線を潜り抜けてきても星には「ある意味」では勝てない。
あきらめて早く終わってくれと祈っていれば、常ならばさわやかに笑って離してくれるのだが今日は違った。
「ほほう…。ならばこれでどうだ」
胸を触る手が緩急をつけ、その上腰まで摩りだした。
「いやぁ、ちょっと、やめっ、んん!」
「我慢しない方がお前のためだぞ」
(注意!今の時間帯は昼間です!
 決して夜が更けて寝台の上でというわけではありません)
青嵐は顔を赤く染めながらも、声を必死に押し殺す。
しかし、星は耳元に息を吹きかけ、そのたびに体は小さく反応してしまう。
(私は何をやっているんだ!でも、頭が、くらくらする…)
ぼんやりする頭で必死に耐えているとじっと見つめてくる瞳と目が合った。
空色の瞳をした少女は興味深そうに青嵐を見つめてくる。
「しゃおもそんな風にしたら、胸が大きくなるかな?」
少女の言葉に青嵐は熱くなっていた体が芯から冷たくなっていくのを感じた。