ロイエドお題SSS
「夕方の部屋」で登場人物が「思い出す」、「犬」という単語を使ったお話。
※現在パロ。エド中学生、ロイ大学院生くらいの精一杯な歳の差な感じで。
ほとんど眠れずに朝を迎えたエドワードは、朦朧とした頭のまま登校しなんとか午後の授業までやり過ごすと、友人たちの誘いも断り早々に帰宅し自室へ籠った。
鞄を放り投げ倒れ込むようにベッドへ身を投げると、呆然と前日のことを思い出す。
昨日の今頃自分はあの男の部屋にいたのだ。
西日の射し込む夕方の部屋で、ベッドで隣に座っていて、だんだん日が傾いて彼の顔が影で見えなくなって…いや違う、顔が近すぎて視点が合わなくなったんだ。
「ロイ・・・?」と呟いた瞬間やわらかい濡れた感触の何かが自分の唇に触れて…
と、突然犬のけたたましい声で我に返る。
隣んちのデンが門に近づいた見知らぬ人に向かって吠えているのか。
いつのまにかすっかり日が暮れて暗くなっていた。「・・・宿題しよ」
ごまかすように呟いた己の顔は沸騰しそうなほど真っ赤に違いなかった。
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【2011.2.28にゃん兄さん月間記念お題】
『午後のリビング』と『撫でる』という単語を使ったお話。
夜勤をあけても減らぬ書類を捌き、午後に入りようやく副官の許しを得て帰宅したロイはリビングに入りふと違和感を感じる。
いつもどおりの光景。
いや――――
回り込んでソファーを覗きこむとそこには緋色を纏った金色の子猫が丸くなっていた。
否、ロイが愛して止まない金色の少年が無防備に眠りこけていた。
いっそあどけないとも言えるそのまろい頬を指先でそっと撫でると、くすぐったいのか無意識に手で払おうとする。
「まるで猫だな」くすくすと笑いながらしばらく寝顔を眺めていたが、いつまでも起きない相手に拗ねた気持ちが沸いてくる。
「早く起きないとキスしてしまうぞ」耳元に囁き頬を寄せ、そして-
※キスしちゃったのか直前でにーさんが目を覚ましちゃうのかはご想像にお任せします。