二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

愛と友の修羅場 3

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
邦枝と男鹿の観覧車は沈黙が続く。
いつもなら普通に話せる仲なのに、観覧車という場所のせいか…
うまく言葉が出ない。
このままではいけないと思った邦枝は
「お、男鹿ぁ!!ほ、ほら、下に古市とコレットちゃんが見えるよ!!」
重い空気を紛らわすかのように下に見えている二人を指差す。
「…」
男鹿は黙ったまま古市とコレットを見下ろしていた。
その古市とコレットは…
「どどど…どうしよう!!男鹿…男鹿と葵ちゃんキス…キスしちゃったら!!
 永遠に結ばれちゃうよ~…」
涙目で慌てふためくコレット。
「…男鹿がそんなにすきか…?」
「んな!!そ、そんな…わけ…ないで…しょ」
どんどん声が小さくなってくるコレット。
そこで、突然古市がコレットを座ったまま抱きしめてきた。
それを見ていた男鹿と邦枝が驚く。
男鹿は自分の乗っている観覧車の窓をたたく。
「ん・・・な!?古市?どどど、どした?」
思ったより冷静なコレットは古市の背中に片手をまわす。
「今まで俺の気持ち知らなかったでしょ…」
「へ?」
コレットの声は裏返り観覧車の中で響く。
「ずっと、俺は女子に本気にならずただ遊んで楽しんでた。
 でも、でも…お前だけには…なぜか自分でもわからないが
 本気になってしまった。」
自分の気持ちをこのまま言い続ける。
「でも、本気になったのはいいがただ自分がつらくなるばかりだったんだ。
 お前は俺ではなく男鹿しか見ていない。俺には振り向きもしない…」
意外な真実にコレットは驚くばかりだ。
「…気持ち、気づかなくてごめんね」
コレットはそっと古市の背中にもうかたほうの手もまわす。
「ここで、キスしたら一生結ばれるんだろ…」
少し間をあけ、古市が
「キス、してもいい?」
大胆な発言にコレットは戸惑い、いままで古市の背中にまわしていた手を離す。
「…好き」
ぼそっと古市がいい、古市とコレットの唇が近づく。
「や、やめろーーーー!!」
男鹿が観覧車の窓をたたき、騒ぐがその声は届かない。
そして、男鹿の目に映ったのは…
「…っ…」
残酷だ…古市がキスしている後姿だ
「お…男鹿…?」
邦枝が恐る恐る男鹿の名前を呼ぶ。
「…あいつ、俺の気持ち知っておいて…」
ぼそっと男鹿がはきすてた。
その男鹿の言葉に邦枝は驚くばかりだ。
そのうち、古市とコレットは離れ古市がコレットの額にキスをする。
「ありえねぇ…」

やがて、男鹿と邦枝がのっていた観覧車は地上に着き、二人は降りて行く。
男鹿は一人とぼとぼ出口に向かって行ってしまった。
「お、男鹿!?ま、まって…古市とコレットちゃん待たなきゃっ」
ぱたぱたと邦枝が男鹿の隣に行って訊く。
「…二人だけにしてあげればいいだろ…」
感情なく男鹿が言い、出て行ってしまった。
二人が降りてからまもなくコレットと古市も出てきて
男鹿と邦枝をきょろきょろ探す。
だけど、見つかるわけがない。
もうとっくに遊園地からでていってしまったからだ。
「二人かえっちゃたみたいだね。」
「え?」
「今邦枝先輩からさき帰ってますってメールきた。」
「そっか…」

バンッ!!
おもいっきり靴箱をたたく音が校舎に響く。
その音の正体は男鹿だ。
かなりはらがたっているみたいだ。
後ろから男鹿が今一番見たくないやつが来た。
「おー男鹿!おはよう!昨日はなんで先かえっちゃったのさ!!」
おふざけ半分の古市に男鹿が
「…知るかよ」
そういい、そのまま一人で教室に行ってしまった。
「なんだよ、あいつ…」

教室に行った男鹿は自分の席に着こうと黒板の前を歩いた。
そしたら自然と男鹿の瞳にはコレットが映る。
その表情は…
(なんだよ、コレットのやつ…ボーっとしやがって。
 あれか、古市とのキスで頭がいっぱいとかか?あん?)
そのとき、男鹿とコレットは目が合う。
そのままコレットはじっと男鹿を見つめている。
男鹿はフンっと目をそらし、自分の席に着いた。
そんな男鹿の態度にコレットはショックを受けた。
男鹿に嫌われたと思ったのだ。
(昨日葵ちゃんとさき帰って…何してたんだろう…)
コレットの頭の中では昨日のことがぐるぐる回る。

「はい、男鹿。ストレスがたまってるときは牛乳が一番!」
昼休み、邦枝が男鹿の教室に来て男鹿に紙パックの牛乳を渡す。
男鹿はパっとその牛乳をとってすばやくストローをさし、
ストローをかみながらじゅーーーと牛乳を飲む。
「わぁ…ストローかんでる…」
邦枝が苦笑いして席に腰掛ける。
「で…古市とコレットちゃんところいかないの?」
邦枝はチラッと窓側に二人でいる古市とコレットに目をやっていう。
「…いかねぇーよ。二人でいたほうがたのしーだろーよ!!」
ますます牛乳の飲む速さが早くなる男鹿。
でも、やはり少し気になるようでコレットと古市のほうを見る。
よく聞こえないが、コレットが何かを話しているようだ。
「古市、私男鹿に何かしたかな~。朝、無視されちゃった」
悲しげにお茶を飲みながら言うコレット。
「ん~…特に何もしてないと思うけど…」
たらりと冷やさせをたらす古市は昨日のことを頭の中で思い出す。
(もし男鹿が昨日のこと見てたら、そりゃー…無視はしたくなるだろうな)
男鹿にはこの会話が聞こえず、仲良く話しているように見えた。
ますますはらをたてる男鹿。
そこで、古市の声が突然聞こえる。
「コレット~!!そのお茶一口頂戴!!」
笑顔で古市がコレットに手を出す。
(!!?まてまてまてまて!!それは間接キスだろうが!!)
男鹿はそれに反応する。
「ん?いいよ。」
普通にそれを渡すコレット。
「おーじゃあ、いただきまーす!!」
古市がお茶に口をつけようとしたとき、男鹿に限界が来た。
バンっ!!
「古市、てンめぇ…そんなにのどかわいてんなら俺の牛乳やるよ。」
男鹿がそのままコレットの腕をつかみ、教室を飛び出した。
「あ、ちょ!?男鹿?」
状況がよく理解できていないコレット。
「先生に次の授業の準備頼まれたんだよっ」
と、本当は今日日直の男鹿だけがやることを理由にして
コレットを理科準備室に連れてきた。
「…で、何を準備すればいいの?」
コレットは首をかしげて男鹿に訊く。
「え、えっと…たしかガスバーナーとフラスコとピペットだったような…」
「そう…」
コレットはなぜ自分なのかとは聞かず、フラスコを手にした。
「今日はコレットおとなしいな。」
男鹿の意外な言葉にコレットが、
「べ、べつに…」
少し顔を赤くする。
「どうせあれだろ…古市とのキスで頭がいっぱいなんだろ…」
「…へ?」
男鹿がついにおもっていることを口にしてしまった。
それを聞き少しの間沈黙が続く二人。
「古市と…してないよ。」
コレットがぼそっとそっぽ向いて男鹿に言う。
「は…?まてよ、だって観覧車で昨日古市と…」
「あぁ、見てたんだね。あれねその後…」
コレットが昨日のことを男鹿に話す。
――『ん…ダメ…』コレットがトン、と古市の胸を押す。『…!!ご…ごめん…俺、何してんだろう…』古市がそっとコレットの額にキスをした。『コレットが、本気で俺のこと好きになったときに、そんときに唇のキスはしようね。』――
ということを男鹿にコレットが話す。
作品名:愛と友の修羅場 3 作家名:河童巻き