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不登校少女 ~生きる希望~

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今は不登校…
みんなに会いたくない。 みんなの目が怖い…。


でも、そんな私にも悩みがあるの。
毎日窓から見えるあの人…。
一度でいいから会ってみたい―――






いつもの様にコレットは窓の奥の世界を見つめていた。
毎朝7時40分頃に、あの人が通るのだ。
あの人が通るたびに、胸の鼓動が高まる。

「会ってみたい…」

そんな願望が頭の中ではまわっているばかりだ。
この窓ガラスの外へ行かなければ会えるはずもない、外の世界にあの人はいる…。
でも、この世界は地獄のように怖い…。

「あ…」

コレットが窓の前で息と一緒に言葉をはき、窓は白く曇った。
その窓の奥に見えたのは…そう、あの人だ。
いつもと変わらなく、一人で歩いている…と、思ったら

「赤ん坊…?」

そう…あの人の背中に赤ん坊がひっついてるでわないか。
髪の色は緑、ふてぶてしい…。

「もしかして…結婚してる!?」

ショックだ。
ずっと好きだった人に彼女を通り越して奥さんがいるだなんて。
コレットはめまいがしてそのままベットに倒れこんだ。





―――勇気は夢をかなえる魔法だよ―――





「ハ!!今…誰かしゃべった?」

勢いよくコレットはベットから起き上がったが、誰もいない。
たしかにはっきり声が聞こえた気がしたのだ。
まるで、今の自分を励ますような言葉…。

「勇気は…夢をかなえる魔法?」

その魔法の言葉みたいなことをぼそっとコレットが言う。
勇気があれば夢をかなえられるという意味がこもっているのだろう。

「勇気だなんて…そんな!!私にはもうないよ…」

一人ベットの上で泣き叫ぶ。
今更あの人にあっても意味もない。
奥さんがいて、子供もいる幸せな家庭に自分が割り込んじゃだめだと。





―――あきらめないで、あきらめたら終わりだよ―――






「あなたは誰なの?」

コレットが自分の部屋で声の持ち主を探している。
だが、返事は来ない。

「あきらめたら…終わり?私は人間だ…だから、だから!!」

コレットの心にはほんの少しの勇気がよみがえる。
(勇気があれば…あの人に…)



そんな思いを抱いて、コレットはゆっくりと眠りに入った。




目が覚めたのは午後5時のことだ。
朝起きてすぐ寝てしまったので、一日が終わる前に起きてしまった。
夕日は沈もうとしている。

「ちょっと、外の世界にいってみようかな…」

ほんの少しの勇気を振り絞って決意した。
外へ出る前にどんな服でいけばいいのか、まずそこからだ。
ロッカーをみてみると、ほんのりピンクのワンピースが目にはいった。
それを試着して、ぴったりあったのでこのワンピースに決めた。


そして、玄関のドアを開けてみると…

「ふぁ~…空気がおいしい!!」

コレットの顔は笑顔でいっぱいだ。
そのままゆっくりと歩き始めた。
自然と足がかってに動く漢字で河原へ向かった。

「河原…きれいだな…」

ぼや~っと河原を眺めているコレットの瞳に何かが映る。
誰だろう?と首をかしげてみるが、遠くてよくわからない。
少しづつ近づいてみると…

「はぁ…べる坊、少しは落ち着け…まともに昼寝もできねぇだろ!!」

なんと!!窓からいつも見ているあの人がいるでわないか!!
コレットの鼓動はみるみる早くなる。
どうしようどうしよう、そんなふうに戸惑うばかりだ。
そのとき、あの人がコレットに気がついたようだ。

「あ゛ぁ」

かなり機嫌悪そうだ。
コレットはどうすることもできなかった。

「っ!!お前は、いつも窓からのぞいてるやつじゃねぇか?」

あの人がコレットを指差して驚きいった。
コレットはその言葉にきょとんとする。

「そ、そうです」

「おーやっぱり!!一度話してみてぇーなっておもってたんだ!!」

あの人の意外な言葉にコレットの鼓動が高まる。
夢のようなこともおこるのだな…。

「名前なんていうんだ?」

「こ、コレットですっ」

「おーコレットな。俺は男鹿辰巳だ!よろしくな」

笑顔でいう男鹿。
コレットはぺこっと頭を下げる。

「で、コレットさぁ何でいつも窓から覗いてるんだ?
 学校いかねぇのか?」

男鹿がすこしずつコレットに近づいていってくる。

「え…といろいろあって…。その子は子供?」

コレットはベル坊を指差して聞く。

「あぁ?俺のじゃねぇよ。ここでひろったんだ。」

「へ…へぇ…」
(やだなぁ…捨て子かなぁ…)

「なぁ、コレット彼氏とかいるのか?」

「ん…!?」

男鹿のいきなりの質問にコレットは答えることはできなかった。
なんでこんな質問するのかがわからない。

「あ、わりぃな…。あったばっかりにこんな質問。」

いかにもすまなそうに男鹿は頭をかきながら謝る
それに対してコレットは両手を前にしていいの、と笑顔で言う。
コレットははっと思い出し、自分の時計を見た。

「あ!もうこんな時間だ!!」

「もう、かえんのか?」

「うん…ごめんね。」

コレットはちょくちょくと歩き始めた。
そこで、ふと振り返りコレットは両手を後ろにして、

「男鹿くん…明日もよければこの時間…ここでまっててね」

ただ、そういってコレットは走って家にもどっていった。













―――勇気は夢をかなえる魔法…本当だった―――













この日からコレットは生きる希望が見えたのだった。












END