二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

愛と友の修羅場 10

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「男鹿…?あれ…私古市に呼ばれたんだけど~…」
コレットがあせっている様子で自分の頭をぽりぽり掻く。
でも男鹿はそれに答えない。
沈黙が続く…そんな中コレットはフと心の中で思い浮かぶ。
(ん…?大橋で二人っきり!!しかも夜!?もしかして…告白!?
 で、でも呼ばれたのは古市にだし~男鹿関係ないよね?
 古市に告白されたってうれしくない…男鹿にだったらうれしいけど…)
そう考えているとだんだんコレットの頬が赤く染まっていった。
そんなコレットの動きをさえぎるように男鹿が
「コレット………」
男鹿がなにかもごもご言っている。
まったくコレットは聞こえない。
「え?何?聞こえないー!!もう一回言って!!」
「何でもねぇよ…。えっと、古市のことはすきか?」
男鹿が自分の言いたいことを言わずに話題を変えた。
男鹿はそっと橋から街灯で照らされている海を見つめていた。
「古市は好きだよ。友達としてね。でも、私…男鹿のことは古市と別な感情で好きなの。」
男鹿はふーんと流したが、ふっと考えた。
それはどういう意味だと…。
「古市と別な感情?」
コレットのほうを見てその答えに聞き返す男鹿。
「うん。もう、前と同じような関係には戻れないってわかってて言ってるの。
 …そう男鹿が恋愛的に“好き”なの。」
突然の告白に男鹿はどう答えていいかわからなくなった。
そんな男鹿をコレットが見て、
「アハハ!ごめんね!!男鹿だって別に好きな子いるよねー?アハハ!!
 まじでごめん、本当…ごめん…!!!」
コレットの瞳から大粒の涙が一滴落ちる。
「な、なくなよ!!俺がまるで悪いことしたみたいだろ!!」
男鹿があせってコレットの涙を自分の服でふく。
だが、その涙は止まらないいっぽう。
「ごめん…すぐ答えればよかったな…」
静かな声で男鹿がコレットに言う。
「ダメ!!言っちゃだめ…もっと涙でてきちゃうっ!!もう、返事なんてわかってるから…」
そういってコレットは男鹿の胸を両手で軽く押し、走って逃げていった。
「お、おい!!」
男鹿の声は届かずコレットはもう見えない。
「あいつ…」


ホテルの屋上に一人ずっと古市はいた。
「あーあ…男鹿、うまくいってるかなー……」
ひとつ、ふたつと夜空に浮かぶ星を古市は数えていた。
数えるたびコレットを思い出し、つらくなってくる。
もう一回古市が泣こうとしたそのとき!!
バンッ!!
おもいっきり屋上のドアが開く音がした。
古市は振り返ると…
ものすごくないているコレットが立っていた。
「…ち…古市ぃぃぃぃーー!!私、男鹿に告白したの…でもっ!!でもぉおー…
 ちゃんと返事も聞かず走ってきちゃった…私、完全振られたよね…
 返事きこうが、聞かないが…ぅぅぅ…うえぇええん!!!!」
コレットが思いっきり古市に抱きついてきた。
「も、もう立ち直れないよ…」
古市はそっとコレットの背中に手を回す。
男鹿とコレット、二人の気持ちを知っている古市は何も言わず、
ただ、ひたすらコレットを慰めていた。
本当はコレットは振られていない。
男鹿が告白しようとしたところコレットが告白したのだ。
古市はそう状況を理解した。
だが、古市は男鹿の恋の悪魔になるつもりで
そっと、コレットの唇に自分の唇を近づけた―――


ピヨピヨ~…
修学旅行一日目がおわり、二日目に突入!!
朝目が覚めたコレットはすぐに準備をして、外に出た。
そこで大きく深呼吸をして
「おいしい空気ぃ~♪」
そんなコレットの後ろからマルタがやってきた。
「…おはよう。昨日夜遅かったね。」
「ぎょえ!?そそそ、そうかなー?ごめんね~~?起こしちゃった~??」
コレットは笑ってそれ以上聞かれないようにごまかしていた。
だが、マルタはそんな甘くなくすぐにコレットは絶対聞かれたくない
質問をされる。
「…何してたの?」
「ななななななななな!!何もしてないよぉおお~ん♪るる~る~♪」
「嘘」
「ググっ!!」
マルタには嘘をつけない…。
コレットは心を折って男鹿とあったことだけ話した。
もちろん古市と何があったのかは一言もしゃべらなかった。
「ふーん…簡単に言うとコレットの失恋ね。」
マルタにズバッといわれてコレットはショックを受けた。
「ぅぅ…そうだよ…失恋したのぉおお!!」
こうなったらやけくそになるしかなかったコレット。
「ププ…信じられない。私ずっと男鹿はコレットのこと好きだとおもってた」
「んな!!なわけないでしょ!振られちゃったし!!」
そこで、男鹿がホテルから出てきた。
コレットはそれに気がつき…
「お、男鹿!!お、おはよぉおおおおーーー!!」
そのまま走ってどっか逃げていってしまった。
「お、おい!!言いたいことがあんのに!!」
男鹿はコレットに避けられているようだ。
「早くいいなよ。“コレットが好き”って。じゃなきゃコレットがかわいそう」
マルタがそれだけを言ってホテルに入っていった。
「くそっ!!俺だって早くいいたいっつの!!だけど、あいつに逃げられるんだ!!
 やっぱ振られたと思ってるからか…?」
「そうだよ」
突然後ろから古市があらわれた。
「おまっ!!古市、なんでここにいんだ!!」
「なんでって…男鹿、約束破っただろ?」
「は?約束?」
男鹿はまったくなにも覚えていない様子だ。
「言ったよね?コレットを泣かすなよって。」
そういえば!!男鹿は思い出す。
でもコレットが泣いたのは事実だが…泣かせようとして
なかせたわけじゃない。
「わ、わりぃ…。でも、まだ俺の気持ち伝えてねぇんだ!!」
「だから何。男鹿にはがっかりだよ。」
古市の目は鋭く、怖かった。
そこで、古市が自分の唇に手をやりながら、
「コレットのここ、奪ったから。」
その瞬間男鹿にゾワっと寒気がし、ガクッと膝を落とす。
「古市…」
「まぁ、両想いのキスじゃなかったけどね。」
そういって古市はすたすたとコレットの逃げた先にあるっていってしまった。
「嘘…だろ…。」



二日目の修学旅行…

この日から男鹿の地獄の生活が始まる…



「ちくしょぉおおおおおお!!!」




つづく
作品名:愛と友の修羅場 10 作家名:河童巻き