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断片2

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「労働の褒美として抱いてやろうというのだ、何を嫌がる贋作」
初めてでもあるまいしと続く言葉に、眉間の皺に力が篭る。
「ああ、確かにこの身は何度も貴様に犯されているがな、私には男に抱かれる趣味など無いんだ!いい加減にしてくれギルガメッシュ!!」
顎にかけられていた手をパンと振り払う。が、すぐに再び手を添えられ上を向かされる。
「貴様はまだわからんのか。男も女も関係ない。それに貴様はすでに、我の宝物なのだぞ?愛でるのが当然であろう?」
“宝物(ほうもつ)”の言葉に目を瞠る。この男は、何を言っているんだ……?
「我が信じられぬと申すか?……仕方のない奴だ。コレで理解しろ贋作」
奴の周囲に魔力が迸る。“王の財宝”が発動されたのだろう。
かざされた手を目にした時、すでに異常の中にいるという事に息を飲んだ。
「……ココは……“王の財宝”、の中……なのか?」
周りには数えきれない法具が混然と存在していた。
((解ったか、贋作?))
どこからかその世界に声が響く。
((貴様の“固有結界”は、貴様の存在ありき、の法具だろう?そしてその身は守護者として、輪廻の輪から外れた存在。故に我が宝物として、貴様の存在ごと召し上げた。贋作、貴様は我のモノだ。))
心の中に蟠っていた、怒りだとか自虐だとか色々なマイナスの感情が、ゆっくりと砂のように消えてゆく。
静かに瞳を閉じる。何かが、ストンと心に落ちた。
(ああ、そうか……オレは、この英雄王の所有物なんだな。)
自然と湧き上がる感情。コレは……支配される、悦び、だ。
世界の揺らぎに目を開けると、目の前には王の笑みがあった。
「贋作。漸く理解したか?」
「……ああ、私の王。」
手を取り、甲に口づけを落とす。
「王の御心のままに」
私もいつの間にか、自然と微笑みを浮かべていた。
「フン、漸くいい顔で笑うようになったな贋作」
作品名:断片2 作家名:ふもった