caramel
プロローグ
『好きな人には幸せになってもらいたい』
そんなこと言うやつは、
本気で好きじゃないんだ。
だってそうだろ?
そんなのは偽善なんだ。
『caramel』
俺は気づいたらアイツの事が好きだった。
でもアイツの傍には決まった人が居た。
誰から見ても、
俺から見ても…二人はお似合いだった。
俺が入るスキマなんてほんの少しもなかった。
幼馴染が言ってた。
「好きな人には幸せになってもらいたい」
「だから私は見守るの」
「そしてたまに愚痴を聞くのよ」
俺もそうだろうと思った。
だけど、現実は違った。
二人を見ると苦しくて…
悲しくなって…
呼吸が出来なくなる…
幸せな姿なんか見せないでくれ。
幸せそうな顔して笑わないでくれ。
ぶっ壊したくなるんだよ。