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caramel

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「なぁ仕事・・平気なのか?」


そこで俺は考えるのをやめた。
あまり探るのも良くない。

知ってしまったその時、力になってやれるならなってやればいい。
なってやれないなら見守ってやればいい。


「・・・・怒ってるな確実に。」

「えっえぇぇ!!?んな呑気に!!」

「大将も共犯な。」

「マジ?」

「大マジ。」

「はぁ・・・・最悪。」

「落ち着いたか?」

「・・・少尉、」

少しいつもの調子が戻ってることに安心する。
ちったぁ効果があったな、俺の特等席。


「チビ。」

「だぁれが豆つぶドチビかぁぁ!!!!!!!!」

「アハハッそれだそれ。よし行くぞ。」

「・・・・・・。」

「無理すんな。」

「・・・・ぁ・・。」


解決はしてないだろうが、少しはマシになっただろう。
そう思い、俺はタバコをつぶしてドアに向かって歩き出す。
てっきりついてくるかと思ったが、なかなか足音が聞こえない。

「大将、置いてくぞ?」

「さっ先行ってて!!!」

「・・・へいへい。」


俺、何かしたか?
また何か思い出しちまったのか?

振り向かない奴が悪い。
と勝手に理由を付けてドアだけ開け閉めをして留まった。


そして少し後悔した。
でも、正解だったと思う。

「ありがと・・・少尉。」


とても珍しい言葉が聞けたから。




「・・プハッ・・少尉なんでモテないんだろ。」

はぁ・・・落ちつきかよ。
まったく聞き逃せねぇぜ、そればっかりは。

「それは余計なお世話だ。」


「・・・ぬわぁぁあぁ!!!!!!?」

ざまぁみろ。

「ったく、素直に感謝したと思えばこのヤロ。」

「うわっヤメロよ!!!ぉおいっ!!なんで居んだっ!!つか、盗み聞きすんなーーーっ!!!!」

「許さねぇぞ。」

「それはこっちの台詞だぁ!!!!!」


お前は元気でまっすぐ走ってるのがよく似合う。
ずっとそうし続けることがどんなに大変かはよく分かってるつもりだ。
だが、それを少しでも支えてやるから・・お前はやっぱりガキ大将じゃなきゃな。






その後、執務室で俺たちはこっぴどく怒られた。特に俺。
大将だけが司令室に戻り、俺はひどく嫌な予感がした。


「ハボック。」

「なっなんすか。」

「煙草を吸ったのか。」

「・・へ?」

「あの子の前で煙草を吸ったのか聞いているんだ。」

「・・あぁー・・確かに吸いました1本だけ。」

なんだそんなことか、と思った。
確かに体には悪いがたった1本吸っただけだ。
世の中には煙草を吸う奴なんて五万と居る。
ただでさえ、あんだけ旅していれば大将の傍で煙草を吸った奴も絶対に居るはずだ。


「何を考えている。」

「何って・・駄目だったんすか?実は喘息とか・・?」

「・・今回だけだ。もう二度と吸うな。」

「・・・・・理由を聞かせて下さいよ。」

「まだ子供だ。体に悪い。」

「・・・・分かりました。」

「お前も戻れ。」

「はい。」


敬礼をして部屋を出る。
ガチャリとドアが閉まった後、詰めていた息を吐き出す。

何をあんなに怒ってんだ?
体に悪いからって・・・
たった1本であんだけ怒るか・・?


考えても答えは出そうにないから諦める。
とりあえず、今後は気をつけよう。

これ以上は生活費が危うい。
司令室までの足取りが重かった。

あっ・・俺、中尉にも怒られるのか?


作品名:caramel 作家名:おこた