貴方の為に
「なんだ竜ヶ峰」
「僕、静雄さんのこと好きなんですよ」
「………は?」
それはあまりに突然で、
あまりにアッサリとした愛の告白だった。
「いやぁ…あの時はびっくりしたな」
「そうなんですか?」
隣に座っている恋人は俺が頭を撫でてやるとへらっと顔を緩ませた。
「でも、僕も案外いっぱいいっぱいだったんですよ」
「嘘付け」
「本当ですって」
帝人は真剣な目付きで俺をジッと見つめる。ああ、この目が好きだなぁ…と思う。
「もし断られたらどうしよう、とか。嫌われたら、軽蔑されたら、もう二度と話してくれなかったら…とか、気が気じゃ無かったですもん」
「へぇ…、もし俺が断っていたらどうしたんだ?」
「死にましたよ」
冗談が全く含まれていない声音で帝はそう言った。
「…そうか」
「そうです」
「………」
「………」
「生きててくれてありがとな」
「いえ、」
そう言って笑った恋人は、硝子細工のようで…ものすごく脆いもののように見えた。思わず抱き締める。
「わっ、静…」
「愛してるよ。だから死ぬなよ」
俺の言葉に帝人はとてもはにかみながらも幸せそうに笑った。
「僕は貴方の為に生きてます」
end...
あれ〜?ほのぼの書こうかなって思ったら
何か若干暗くなったよ?
帝人くんが半分病んでないかな(^Д^)ww