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しょーらいのユメはいざにぃーのおよめさんです!

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「ねーねー、いざにぃー。きょーね、がっこーでね、しょーらいのユメについてね、お話ししたんだよ!」

隣の家の子ね竜ヶ峰帝人、現在小学一年生が目をキラキラと輝かせながら仕事の書類に向かっている臨也に話しかけた。
臨也は一度書類整理を止め、近くに置いていた珈琲の入ったカップを手に取りながら帝人に目をやり「みぃーちゃんは何て書いたの?」と、優しく聞けば、なんとも自慢気に腰に手を当てながら答えてくれた。
「いざにぃーのおよめさん!」
その瞬間、臨也は口に含んでいた珈琲をおもいっきり自分が整理していた書類へ吹き出した。
「けほっ……っみ、みーちゃん……“お嫁さん”の意味は知ってる…かな?」
珈琲で濡れてしまった書類を慌てて拭きながら聞くと、馬鹿にするなとでも言うかのようにむっとして「知ってるもんっ!」と答えた。
そんな怒った表情でさえ可愛く愛しいと感じてしまう。
(ちょっと俺も重症かなぁー。
でも、みーちゃんが可愛いのは事実だから仕方ないよね!)
うんうん。と一人で納得しているとみーちゃんが、椅子に座っている臨也の元に来てズボンの裾をクイッと引っ張り、したから目線を使い「いざにぃー、だいじょーぶ?」と首を傾げながら臨也の顔を見た。
(っっ!!……ヤバイ。可愛すぎるよ、みーちゃんっっ!!
無意識にそんな表情で男をみたら悪いおじさん達に襲われちゃうよっっ!!)
臨也は自分の顔を手で覆い、赤らんだ顔とドキドキ五月蝿い心臓を落ち着かせるために一度大きく深呼吸をした。
「みーちゃんは優しい子だね。ありがと。」
そう、にっこりと笑いながら言うとまたもや帝人が臨也にとってとんでもない発言をする。
「だって、ぼく、いざにぃーのしょーらいのおよめさんだもんっ!」
(………っっ!!小さい子恐るべしっ!ここまで無意識に俺を追い詰めるとは…!!)
「み、みーちゃん。落ち着いて考えよう…。みーちゃんが大人になったら俺おじさんになっちゃうよ?」
何を難しい事を小学一年生に考えさせてるんだ、と自分にツッコミを入れた。
「そんなのかんけーないです!!ぼくは、いざにぃーいがいのひとをスキにはならないです!だから、いまからずっとぼくはいざにぃーのものです!」
にぱっと笑いながら帝人は臨也に言う。
そして、椅子に座っている臨也の太ももまで登って臨也に向かい、今までとは全く違う声色で頬を紅色に染めながらいった。
「だから、いざにぃー。ぼくにちゅーして。」
(だからこれは反則だろ…。)
今、臨也が帝人に手を手を出したらそれは二人だけの問題では無く帝人の家族にも関わるものだ。
(あーでもなぁ……こんなチャンス二度と無いかもしれない…。)
帝人にどのように返事をするか迷っていると帝人の小さく温かい両手が臨也の頬に触れた。
そして「いざにぃー……」と、消えそうな声で臨也を呼ぶと帝人はそっと臨也の唇に自分の唇を重ねた。
臨也にとって触れるだけのキスでも、帝人にとっては今出来る精一杯のキスだった。
臨也はしばらく頭の中が真っ白になり妙な間と緊張感が部屋中に漂った。
(………全く、この子には敵わないなぁ。いつだって、俺の予想以上の事をしてくる…。)
「みーちゃん…」
優しく呼んでやればゆっくりと帝人は臨也の顔をみた。
その顔は、まだキスしたのが恥ずかしいのか顔が真っ赤になっていた。
それが可愛く愛しく、臨也は軽く帝人にキスをした。
帝人の目が大きく見開かれたのが分かった。
それでも構わずに、今後はさっきよりも深く口付けた。
次第にキスは深くなっていき、とうとう臨也は帝人の幼く小さな口の中に自分の舌を割り込ませた。
「………っふ…ん……はっ………いざ……に………ぃ………」
初めてのことに戸惑いながらも帝人は臨也を必死に受け入れた。
臨也は最後にリップ音をたてながら帝人の口から離れた。
帝人の顔は真っ赤で、初めてだった深いキスのせいで息があがって涙目になっていた。
それでもこの少女は幸せそうに「いざにぃー……ありがと」と臨也に軟らかで温かな笑顔を向けた。
そしてしばらくたってから帝人は隣にある家へと帰っていった。
急に一人になった家で臨也は頭を抱えながら座り込んだ。
「……はぁー………。とうとうやっちゃったよ…。手…出さないって決めてたのに…。あーぁ………。ってか俺……犯罪者じゃん……はぁー………」
そんなことを静かな部屋でぶつぶつと呟いて虚しさが出てきたが、それ以上に自分の物となった帝人をどのように育てていくかが臨也にとっては楽しみで仕方がなかった。