愛と友の修羅場12
そこにのっかりコレットは一人夜景を眺めていた。
(…いるわけ…ないか)
ちょっとがっかりしたコレットの表情。
男鹿がいることを少し期待していたようだ。
「修学旅行が終わったら…新しい恋探さないといけないなぁ…」
コレットが雪につぶやくように言うと…
「そんなことする必要はないっ」
後ろから声が聞こえてびっくりして振り返ると…
息を切らしている男鹿がいた。
「お…男鹿?」
「あれ…マルタ、コレットは?」
古市がアクセサリー屋の前のベンチに座っているマルタに
コレットの居場所を尋ねる。
だが、マルタの顔がムスっとしている。
「マルタ?どうしたの?」
何もわかっていない古市は首をかしげる。
「鈍感な古市に面白いもの見せてあげる。」
マルタの口元がニヤリと笑い、立ち上がる。
少し違和感を感じた古市は、
マルタを呼び止めた。
だが、マルタは、
「コレットに会いたいんでしょ?私、コレットのいる場所知ってるよ。」
たしかに、古市はコレットにあいたい。
だが、今のマルタについていっていいのかわからずままだ。
「あいたいよ…でも、なんか今のマルタ変だよ?
信じてついていっていいの?」
「信じるか、信じないかは古市の自由。
もし、騙されたら古市自分の責任。ただそれだけのこと。」
「じゃあ…信じるよ?本当にコレットがいるんだね。」
マルタは無言でうなずく。
そして、古市に背中を向けて案内し始めた。
コレットがいる恋愛スポットはアクセサリー屋さんから徒歩約10分
というところだ。
だが、マルタは時間を稼ぐようにゆっくりと歩いている。
なにをたくらんでいるのか誰にもわからない。
「古市、あなたは本当にコレットが好きなんだ」
恋愛スポットまでもう少しのところで、マルタはピタリととまり
古市に悲しげに言う。
「好きっちゃ好きだよ。男鹿にさえ譲れない。」
「本当、私は最悪だな…そんな古市をこんな場面に連れてきちゃうなんて…」
へ?と古市はまったく理解できていなかった。
「ここの、恋愛スポットって知ってるでしょ?
そこにコレットがいるよ。古市一人で行ってきな。」
「わかった。ここまでつれてきてくれてありがとう。」
古市はそうお礼を言って走って恋愛スポットまでいった。
「本当…コレットが憎いだけなのに…古市の心を傷つけることしちゃうなんて…
私って本当最低だな…。」
(あれ…?男鹿…?)
古市の目には男鹿の後姿が見えた。
幻覚かとおもい、目をこすってみるがやはり現実のものだ。
どうしてこんなところに男鹿がいるのか、
古市は男鹿に話かけようとしたとき!!
(こ…コレット?)
なんと、男鹿の腕のなかにコレットがいるでわないか!
その場の意味が理解できていない古市はあたふたしていた。
どうして男鹿がコレットを…
なにがなんだかわからない。
そこで、男鹿がポケットからそおっと何かをだした。
それは…きらきら輝いている。
さっきコレットがほしがっていた指輪だった。
(男鹿…どうして…。男鹿にコレットを幸せにする権利はあるのか?
絶対俺のほうが幸せにできると思う…のに…)
色々な想いが交差する。
この想いがとんでもないものに…
続く