二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
日照ラテ粉
日照ラテ粉
novelistID. 26877
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

続合鍵問題リド編

INDEX|1ページ/1ページ|

 
さて、
・・・誰から訊きにいくのが、話しやすいか・・・・。
考えていたジグの部屋に、真っ赤なトサカ頭が現れた。
「邪魔、するぜ・・・」
リドはかつてないほど気まずそうな顔をしている。ということはつまり、そういうことなのだろう。
無言のリドの手からジグへ、何かが放り投げられた。それを片手でキャッチする。
見慣れた、合鍵だった。
「・・・返しとく」
「ああ・・・・」
「・・・」
「・・・」
「昨日のことは、」
しばしの沈黙の後、目線をあさっての方向へそらし、頭を引っ掻きながらリドは話し始める。
「俺は別に、悪いことしたと思ってねえからな!いつもみてえに部屋に入ってっただけだ。」
「・・・分かってる。」
「・・・たまたまいちゃついてるところに出くわすなんてよ、そんなんよくあることだよ、けど・・・・
 相手が男で、あいつだなんてよ・・・ファズは、お前のダチじゃなかったのかよ!?」
「・・・友達だ」
「だったら、なんで」
「カンタレラにいたころから、俺はあいつの一番の親友で・・・それは今でも変わらない。
 けど、・・・それだけじゃ足りなくなったんだ」
「・・・・!」
リドが目を見開く。
自分の正直な気持ちは、この友人にはどう思われるのだろう。
「・・・・じゃあ、あれだ。お前・・・本気なんだな」
「ああ」
「そっか・・・お前ら二人がマジなんだったら、外野がどうこういうこっちゃねえよな・・・。
ていうか、今お前、のろけたか?のろけられたのか俺は!?」
「あーあ、やってらんねー、ゴチソーサマ!どうせ俺は独り身だっつーの!!」
「・・・・・」
本気で言っているのか。いや、気を使ってくれているんだろう。そう思おう。
「まあ、今やお前らは七騎士サマだし?ごちゃごちゃいう奴もいそうで、それは気の毒だけどよ。」
「お前が黙ってさえいれば、問題ない」
「・・・本当にみんな知らねえのか?
 俺は昨日まで全然だったけどよ、カンのいい奴なら気づいてるかもしんねーぞ?」
「それは・・・・」
ジグはしばし考え込む。
思い当たる節は無いが・・・・絶対に無いとも言えない。
「ふん・・・・ま、そういう場合もあるから、誰かに知られてても、俺がバラしたなんて思うなよ」
「・・・調子のいい」
「そうにらむなよ。
 気楽にいけって。味方が増えたーって喜んでりゃいいじゃねえか。
「そんな風には考えられない・・・大体、
 俺とファズは皆に知られるのが嫌というより、ただ・・・
 ミシーに知られたくないんだ」
「そうなのか・・・?
 あいつの可愛い妹だろ?お前にとっても幼なじみじゃねえか。」
「・・・だから困るんだ」
ジグの深刻な表情から、リドもなんとなく気持ちを察してくれたらしい。
「分かったよ・・・他の連中には、特にミシーには、気づかれないように注意する」
「・・・・そうしてくれ」
突然リドは何か思いついたように表情を明るくした。
「でもよジグっち!親方には!話すべきだと思わねえか!!」
「なんでそうなる!?」
勘弁してほしい、タイロンに知られたら、どれほどからかわれるか分かったものではない。
想像だけで痛み出したこめかみを手で押さえる。
「・・・世界で二番目に知られたくない相手だ・・・」
「なんでだよ、いいから親方には全部話せ! お前ら二人、どっちが上でどっちが下なのかも正確に・・・
 っ痛てててピアス引っ張るな!!」
「・・・・。」
しょうもないことを言い出したリドに対して、口より先に手が出た。
「一家の一員としての義務だろーが、ついでにピンスとバッスとぐええっ!!」
黙らないリドの脇の下から腕を通して間接をきめ、ため息をつく。
 
 リドに知られてからかわれて、恥ずかしくて面倒で気が重くなるはずなのに、逆に心が軽くなったと感じてしまうのはどういうわけだろう。
羽交い絞めになって苦しそうに呻いているリドを見下ろす。

――お前に隠し事が無くなって、ほっとしてるんだな、俺は。

「・・・ジグっち、なんか言ったか?」
「何も言ってない。忘れろ」
締め上げる腕に力が込められて、リドは真実記憶が飛ぶような思いをした。
作品名:続合鍵問題リド編 作家名:日照ラテ粉