幸せになっても良いですか?
暴力が嫌い?人を傷つけたくない?
そんな事を思っても、切れてしまえば関係ない。
今日も俺は、自らの拳を血で染める。
「平和島さんはカッコイイですよ」
そう言って、少年が笑った。幼い、中学生くらいの。実際は高校生だと言っていた。俺が高校生のときはこんなに幼かったか?と、記憶をぼんやり探す。
「僕は平和島さんが羨ましいです」
少年の言葉は、俺の中に染み渡っていく。嘘、だと思った。みんな俺を見て逃げていく。なのに、何故、この少年は笑っているんだろうか。
「その力があれば、自分で大切な人を守れるじゃないですか」
違う。守ろうとしても、逆に傷を付けてしまう。守っていたつもりでも、恐怖の色が目に浮かぶんだ。
「とても、素晴らしい力です」
少年の笑う顔が心地良かった。何度も俺が暴れるのを見ても逃げなかった、不思議な少年。手が自然に動いて、少年を抱き締めていた。その時俺は、自分はこんな優しい気持ちで、傷つけずにひとに触れられることが出来るんだ…と、他人事のように感じた。
「平和島さん」
「……」
「平和島さん」
「………」
「平和島さ……もぅ……静、雄さん」
「何だ」
俺が名前で呼ぶように言っても、帝人は恥ずかしがって言わなかったから、俺の名前以外では無視するようにしてみた。帝人を見ると、拗ねたように口を尖らしている。でも、顔が赤いのは隠せてない。それを可愛いと思ってしまった。おいで、と腕を広げる。帝人は少し迷うような仕草をし、ちょこちょこと俺の中に来た。ギュッと抱き締める。帝人の小さい体は俺の中に埋もれてしまった。
「帝人」
「…はい」
「怒ってんのか?」
「…別に」
「ごめんな」
「…怒ってないです」
「好き」
「……」
「好きだ」
帝人がもぞっと動いて、俺の腕から顔を出した。泣いているわけでもいないのに潤んでいるその大きな瞳に見つめられると、理性が保てなくなりそうになる。
「狡いです。……静雄さん」
「そうだな、俺は狡いんだ」
笑って、帝人にキスをする。キスする度に、何度も思う。甘いな…、帝人は。甘い。
「ん、…ふ、ぁ」
「帝人…」
俺は、狡い。
今まで、何人の人を不幸にしたんだろう。帝人を抱くこの手で、何人の人を殴っただろう。俺の名前を呼ぶ帝人が、愛おしくて堪らない。俺は、こんなに幸せでも良いのだろうか。幸せになっても良いんだろうか。
「良いんですよ」
肯定したのは、帝人なのか、それとも俺自身なのか……
今の俺は、この力があって良かったと思うようになった。
この力がなければ、帝人は俺に惹かれることも無かったのだろう。
それに、帝人が言ったとおり、人を守ることが出来るんだ。
小さな、とても大切な宝物を。
end...
…うん。
頑張ったんだけどな(゚∀゚ )
何か、変だよねwwわかってますww
さすがに、投稿するか迷いましたが…;
gdgdなのはいつもの事なんで、多めに見てやってくださいなぁ(´・ω・)
作品名:幸せになっても良いですか? 作家名:MgO