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Limlinio (新刊サンプル)

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「じゃあさ十代。こうしようぜ。―これから卒業式までの間、俺は毎日放課後、十代を襲ってやる」
 レッド寮へとヨハンを近づけようとしない十代へとヨハンが言いだした内容に、さすがの十代も顎が外れるかと思った。
「襲うって、デュエルディスクは凶器にならないぞ! ていうか襲うってなんだよ!」
 凶器にしたことはないが、こっそりフリスビーにしたことはある。顎を戻す十代の脳裏に『間違ったデュエルディスクの使い方』の数々がよぎっていく。しかしヨハンが言っているのは凶器を持って襲撃するという意味ではないだろうというのはわかった。
「別にデュエルディスクをブーメランみたいに投げつけたりはしないし、アメジスト・キャットに襲ってもらったりもしないぞ」
 十代の顎が戻ったところでヨハンが再び口を開いた。
「ただ、キスするだけだ」
 せっかく戻った十代の顎が、再び外れた。

 放課後になったら、どんな方法を用いても十代へと何かしらのモーションをかけてキスしようというヨハンに、再度顎を戻した十代はもちろん反論した。
「なんでそういうことになるんだよ。わけわかんねえよ!」
 そもそも、十代の部屋へと入る許可をもらうためになぜキスという単語が出てくるのか謎である。
「キスするような関係だったら、部屋に行くのだって拒否されないだろ?」
 ヨハンの言い分に、十代は階段教室で熱烈なキスを交わしていたカップルのことを思い出した。あれすら見ていて気まずかったというのに、実際にそれを体験しろというのか。
「あのな、俺はヨハンを大事な友達って思ってるんだ。わざわざそれを……なんで……」
 もしもキスなんてされてしまったらきっと、恥ずかしくてヨハンの顔をまともに見られなくなってしまう。部屋に入るのを許す、許さないとは関係なく距離をとってしまいそうだ。
「俺だって、十代のことを親友だって思ってる。だからこそお前がかたくなに鍵を掛けてるドアをこじ開けたいんだ」
 レッド寮に一人きりになってしまってから、十代は自分の部屋のドアに鍵をかけるようになっていた。それまでは同室者がいたり勝手に押しかけてくる人物がいたりでドアの鍵は最低限掛けられていなかったのに、だ。もちろん勝手に押しかけてくる人物の中にヨハンも含まれていた。結局最後は十代の部屋に住み着いたのだ。だから、ヨハンとしては自分の家に帰るような気分で十代の部屋に入りたいのである。
「もしお前にキスできなかったら、部屋に無理に行くのは諦める。十代にだってそこまでされたくない理由があるんだろうしさ。でも」
 この展開に納得する答えを十代に与えないまま、ヨハンの主張は続いた。
「一人で壁作って、自分以外の人間は受け入れないなんて言うのは絶対にダメだからな!」