二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

いつもの午後(DOLLARSシリーズ)

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 


「疲れたー、飽きたー、帝人くんに会いたいー」

「うるせぇな。まだ3時になったばっかだろうが。」

キッチンと店内を繋ぐカウンターでウダウダしていると、キッチンからシズちゃんのイラついた声がした。

でもさぁ?もう帝人くんが学校に行ってから8時間くらい経つんだよ?もうそろそろ帝人くん切れだよ俺。

シズちゃんだって絶対正臣切れの筈なのに、やだねぇ我慢しちゃってさ。

なんてカウンターで更にウダウダしてたら店の扉のベルが鳴った。

帝人くん!!とか少し期待して振り返ったけど、そこにはやっぱり店の常連客のおばさま方で。

分かってるよ?帝人くんが学校終わってどんなに早く帰ってきても、だいたい4時過ぎ。正臣と少し寄り道したら軽く5時は回る。

心は残念がりながらも、常連客のおばさま方には営業スマイルを振りまき席へご案内。

ここみたいな小さな店にはこういう常連客が強い味方だから、あまり邪険に扱えない。

しかもおばさま方の話には、稀にだけど興味深い内容のモノがあるから侮れないよね。

「ご注文はお決まりですか?」

おばさま方の頃合いを見て注目を取ってカウンターへ。

この店はコーヒーだろうがケーキだろうがパスタだろうが全部シズちゃんが用意する。

俺は料理とか全く出来ないし、帝人くんも下手な訳じゃないけど上手くもない。唯一シズちゃんの手伝いが出来るのは正臣くらいかな。

料理の出来ない俺からしたら、大袈裟だけど魔法みたいにキッチンで料理するシズちゃんを結構尊敬してたりする。

今もカウンターからぼーっとシズちゃんを眺めてたら、あっという間にコーヒーとケーキとチョコパフェが出てきた。

「ぼさっとしてねぇでとっとと持ってけ。」

「はーい。」

料理出来るのは良いけどさ、シズちゃんって口悪過ぎだよね。

おばさま方に注文の品を出してる最中にまたベルが鳴った。

お次は女子大生のグループ。

この店は池袋から決して近い訳じゃないけど、遠くもない立地にあるからそこそこ繁盛している。

女子大生グループに続いて次々と来るお客の相手をしていたら、時間は既に5時10分。

そろそろ帝人くん達が帰ってくる頃だろうと思っていると、ベルの音と共に待ちわびた愛しい子の声。

「遅くなってごめんなさい。すぐお店手伝いますね。」

「今日も可愛いお姉様方がたくさん!俺頑張っちゃう!」

申し訳なさそうに可愛らしい眉を下げながら入ってくる帝人くんとは対照的に、正臣はにこにこと店内を見渡している。(少しは帝人くんを見習え!)

「ありがとう、帝人くん。でもその前に言う事があるんじゃない?」

扉から真っ直ぐ俺の居るカウンターに来た帝人くんの短く触り心地の良い髪を撫でながら、俺はいつもの言葉を促す。

すると帝人くんは髪を撫でられるのが恥ずかしいのか、少し頬を染めながら「ただいまです、臨也さん」とはにかんだ笑みを浮かべる。

あぁーっ!もう!帝人くん可愛過ぎっ!

約10時間ぶりの帝人くんに我慢出来ず抱きつくと、キッチンのシズちゃんからボールが飛んできた。

自分が正臣とイチャつけないからって、八つ当たりはやめてよね!