久し振りに逢った君は
竜宮島に2年ぶりに帰ってきた。
そこにいたのは変わらぬ君。
「総士おかえり。」
あぁ、やっと愛しい君に逢えた。
「総士、これから暇?」
「あ、あぁ。」
「よかった。」
ふわりとやわらかな笑顔を見せた。
前はこんな雰囲気だっただろうか…。
「今日は俺ん家誰もいないんだ。来るだろ?」
「そうだな。一騎の家に行くよ。」
まただ・・・・どこか一騎は大人びていると感じる。
「総士?」
「あ、悪い。今行くよ。」
すごく見とれてしまう。
家に着けば、一騎は俺に抱きついた。
「逢いたかった。寂しかった。」
急に一騎の声は弱々しくなった。
「一騎、どうした?」
さりげなく背中に手を回すと、一騎は腕に力を入れた。
「ちょっ、かず、き!苦しいっ。」
腕の中でもがくが放そうとはしてくれない。
「総士・・・好きだよ。」
耳元で優しく囁くと躰がビクッと反応してしまう。
終始見つめあっていると一騎は顔を近づけ頬にキスをした。
唇。額。目。鼻。耳。首筋。
数え切れないほどキスをしてくる。
「んっ…くすぐったいよっ。」
「クスッ……可愛い。」
二年ぶりの彼は変わっていた。そして、自分も変わっていた。
作品名:久し振りに逢った君は 作家名:アべハルナ