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アべハルナ
アべハルナ
novelistID. 20723
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目の前の君、その声は遠く

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「阿部ーっ!部活行こーっ!」
声をかけても聞いちゃいない。
ずっと、阿部は携帯のディスプレイを眺めている。
この間、浦総-武蔵野の試合を見に行った。
そのときに、阿部がシニア時代に組んでいたという凄いピッチャーと会った。
阿部はその人を最低と言っていたが、最近の阿部を見る限り本音ではないみたいだ。
いつもは携帯をあまりいじらないという阿部が凄いピッチャーと再会してからは肌身はなさず持っている。
そのたんびに、メールをチェックする。
その顔は凄く嬉しそうで切なかった。
「阿部、いかないの?」
再び声をかけてみる。
「あ、あぁ。今行く。」
やっと気づいてくれた。
ーーそんなにあの人がいいのかなぁ…。
「水谷…どうした?」
阿部の顔はすぐ目の前。
ーー今ならキス、できるんじゃね!?
顎を持ち上げ軽くキスをしてみる。
「み、水谷てめぇ…。」
腕で唇を拭う。
「俺、阿部のこと好きなんだ!」
「……………………ぉれ…も…。」
顔を真っ赤にして小さく呟く。
「阿部ぇっ!」
ハートをまき散らし抱きつこうとした、その時。

「お前、何してんの?」
へ?と聞き返し自分を見てみる。
練習着をぎゅっと抱きしめていた。
あ、あははは
…やっちまった。
お得意の妄想を一人で燃え上がっていた。
冷たい目線で俺を見るなぁああああああああああ
「お前、キモイぞ。」
嫌われたぁああああああああああああ
「嫌わないでぇっ!」
必死に阿部にくいつく。
やんよやんよと騒いでる中、阿部の携帯が鳴った。
嬉しそうに携帯を開く。

ーーまた、あの人か…。