はい。ここで第一問
阿部は練習休憩の間に榛名に呼び出された。
断ることなんてできない。
何故かって?それは阿部と榛名が付き合っているからである。
それを良いことに榛名は言うこと聞かないと付き合ってること公開するぞ、と阿部を脅していた。
「なんですか?」
榛名はグラウンドから少し離れた土手に寝ころんでいた。
その榛名の顔を覗き込む様に阿部は屈んだ。
「ちゅー「ダメです。」
榛名が言い終わる前に阿部は答えた。
「まだなにも言ってねぇじゃん。」
「言わなくても大体わかりますよ。」
急に榛名は起き上がり阿部を見つめた。
「なぁ、それっていわゆる以心伝心?」
阿部は違うっ、と真っ赤になり否定してるが内心は頷いていた。
「ちゅーしていいか?」
「だっ…だめですっ!」
榛名は再び寝ころがるとじゃあ投げない、とふてくされてしまった。
「なんで、そうなるんですか!」
「タカヤがちゅーさせてくれねぇから。」
「だ、だから今はダメです…。でも、練習にはでてください!」
「はい。ここで第一問。」
再び起きあがると阿部に問いだした。
阿部は顔を赤面させ言葉を詰まらせる。
「言わねぇなら投げねぇ。」
「わかりました……ッ。す、す…すす好きです…キスしたい…です…。」
顔を真っ赤にさせ榛名を見る。
榛名はニヤッと笑いうと顔を近づけた。
「…目瞑って…くださぃ…。」
声が次第にか細くなっていく。
ちゅ。