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アべハルナ
アべハルナ
novelistID. 20723
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ただ、それだけを言いたかった

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おおきく振りかぶって~ただ、それだけを言いたかった~

「タカヤ。」

呼んでみた。返事なんか返ってくるはずない。
もう、練習終わってみんな帰ったからな。
卒業を控え少しの間世話になったシニア。
俺は監督とチームメイトに感謝したい。
あそこまで、腐ってた俺をここまで立ち直らせてくれた。
「あーぁ、今日でここでの練習が終わりか…あっけねぇもんだな。」
なんて、呟いてみた。
部屋の扉が開きタカヤが立っていた。
「元希、さん?」
「タカヤ…。」
「まだ、帰ってなかったんですか?」
呆れた顔をされた。
「別にいいだろ…?」
タカヤは自分のロッカーを開けなにかを探しはじめる。
「タカヤ。何か探しもんか?」
「ここにあったタオル知りませんか?」
タオル…タオル?
辺りを見回ってみた。どこにも無い。
「あっ!!!」
大きな声をあげて俺の鞄を指さす。
「…ぁ!」
鞄には乱雑に入れられたタオル。さっきまで俺は間違ってタカヤのタオルを使っていたようだ。
「わりぃっ!!洗濯して返すな!」
「いいですよ。それあげます。」
タカヤはロッカーの扉をしめ帰ろうとした。
「タカヤ。」
「今度はなんですか?」
「…別に呼んだだけだ。」
あの言葉が言えなくて。タカヤに伝えたいのに伝えられない。
「さよなら。」
行くなよ。
まだ、行かないでくれ。。。

“好き”なんだ。
ただ、それだけを言いたかった。






あの夏。グラウンドでまた会った俺達。
早く会いたくて。名前呼びたくて。“好き”って言いたくて。




「タカヤッ!!」